【完走狙いの人向け】鯖街道ウルトラマラソン②補給・装備編
こんにちは、ヒロです。
今回は過去2回のブログに引き続き、鯖街道ウルトラマラソンの77kmに関する記事となります。(前回のブログは↓参照)
今回は、結構気になる人も多いと思われる、補給と装備編です。
今年を含め、過去2回Aコース(72km,77km)を完走した経験から、とにかく完走を目指しているという人向けに、考えていることを紹介させていただきます。
ちなみに私は、理学療法士という体にまつわる仕事もしております。そういった観点からも考えてみたいと思います。
目次
シューズ
参加を決められた方が何よりも気にされるのはおそらくシューズだと思います。
というのも、鯖街道ウルトラマラソンはトレイル区間が3ケ所ほどあり、トレイルシューズがいいのかロードシューズがいいのか非常に悩みます。
私自身、非常に悩みました。1回目はロード寄りのシューズであるテクニカのマキシマ(今は廃盤?)、今回は完全にトレイルシューズであるアルトラローンピークで走りました。
そんな中での結論。
・トレイルランに慣れている人はロードシューズ!
・そうでない人で心配な人はトレイルシューズ(ラグの低いもの)
・雨の日、もしくは前日が大雨の場合はトレイルシューズ
それでは、細かく説明をしてまいります。
自分の経験ですが、今回トレイルシューズで参加して正直失敗でした。
トレイルシューズはロードシューズに比べてラグがあるので、トレイルではグリップが効いて滑りにくく安定します。しかし、弱点としては、ロードになるとそのラグが邪魔で足裏を刺激します。また、反発やクッション性がロードシューズには劣るものが多いため、舗装路を走ると結構疲労感が強い感覚です。
鯖街道の下りトレイル区間は大きく分けて2ヶ所です。針畑峠からの下り区間は、滑りやすい場所があるためトレイルシューズの方が走りやすいです(傾斜は緩め)。距離としてはおおよそ3km程度です。八丁平付近〜ニノ谷エイドまでの下り区間はテクニカルな部分は無いと言っても良いような区間です。ロードシューズでもそんなに気になりません。
登りに関してはタイム狙いの人以外の大多数の人は歩かれると思います。歩きであれば、そこまでグリップ力を気にしなくても登れます(大股で進むと滑りますが)。
このことから考えると、トレイルシューズが楽な3kmの下りのためにトレイルシューズを選ぶのは正直おすすめしにくいです。
ロード区間は50km以上ありますから、ロードシューズでトレイルの下りが少々遅くなってもロード区間で十分取り返せると思います。
自分自身、1回目の時はテクニカを使用し下りで多少滑りましたが、ロードが楽でした。逆に今回はトレイル区間は楽でしたがロード区間でロードシューズに比べて10〜20秒/kmくらい遅くなった感覚です。
こういった点から、次回はおそらくロードシューズで走ると思います。
ただし、雨の日もしくは前日大雨の場合、登りも下りもトレイル区間はかなり滑るため、ロード区間は遅くなりますが、捻挫や疲労のリスクを考えるとトレイルシューズで出場すると思います。
また、私はトレイルランも少し慣れているところがあるのでロードシューズでもいけるかなと感じていますが、トレイルが全く不慣れな人で心配な場合は、ラグが少しあるようなシューズが良いかもしれません。この点に関しては実際に走ってみて確認してみてください。
補給系
ここも悩む人が多いのではないでしょうか。
私自身も明確な答えに辿り着いているわけではありませんが、現時点での考えを述べたいと思います。
大きく分けて、必要な補給は糖質系(エネルギー系)、アミノ酸系、電解質系(ミネラル系)、水分が必要だと思います。
このそれぞれについてご説明いたします。
糖質系
まず糖質系ですが、なんといっても走るためのエネルギー源です(厳密に言えばあまり使わない方が良いエネルギー)ので重要なものです。
種類としては固形物がいいのか、それともジェルがいいのか。即効性の高いものがいいのか、それとも吸収速度が遅めのものがいいのか。
糖質系の補給食は山ほど種類がありますので、自分の口に合う味なのか、一個あたりのエネルギー量や重量も選ぶポイントです。
何を何個持っていくというのはかなり個人差がありますし、運動量(METs)から算出して厳密に計算するのがややこしいので、ざくっとした考え方をご紹介いたします。
今回の鯖街道、エイドが結構豊富であり、各エイドで糖質である食べ物は結構置いてあります。
バナナやチョコ、おにぎりにソーメンなどなど。これらで糖質はある程度補給できます。
ただし、これらは固形物であり、消化に少し時間がかかるものです。食べたからといってすぐにエネルギーになるわけではありません。ましてや、走りながらなので、血液が筋肉に持っていかれる分、胃や腸の働きが低下しやすく、吸収速度はさらに遅くなります。
また、自分の欲しいタイミングで摂取できないので、これらエイドの間を埋めるもの、吸収速度が比較的早めの物(マルトデキストリン含有のジェルなど)、ということを軸に補給食を携帯するのが良いと思います。
私自身は今回、コロナ後初開催ということで、どれだけの食べ物があるか不明だったため、1時間にジェル1本で11時間分(目標は10時間でしたがw)持参しましたが、ちょっと持ちすぎで余ってしまいました(^^;
多すぎると重りになっちゃうので、余ったということは失敗だったなと反省です。
ちなみに、あまり糖質を摂りすぎると、血糖値が極端に変動するインスリンスパイクを起こす可能性があり逆にしんどくなるので、吸収が早い糖質を摂取しすぎるのは注意が必要です。
また、糖質を大量に消費しないように心拍数をある程度抑えながら走れば、エイドでの糖質摂取をメインにして、持参する糖質は少なくできると思います。(私は前半から心拍上げすぎて失敗しましたww)
この辺りは過去のブログを参考にしてみてください。
あと確証はないのですが、ジェルばかりで固形物を取りたくないという人もいると思います。この場合、胃酸が出ても溶かす固形物がないので、胃酸過多で胃や喉を刺激してすごく気持ち悪くなる可能性があります。
全く固形物を取らないのではなく、気持ち悪くなる前から定期的に固形物を摂取しておくのも大切ではないかなと感じています。ご注意を。
アミノ酸系
結構大事なのはアミノ酸系の補給を持参することだと思います。
これ、エイドでの補給はほぼないと思っていただいた方が良いです(鞍馬エイドで唯一BCAAドリンクがあったのと、杉峠エイドで豆腐ソーメンがあったくらいかなと思います)。
ちなみにざっくりした説明をさせていただくと、アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、タンパク質を細かく分解したらアミノ酸になります。タンパク質は胃などを通過してアミノ酸に分解されて吸収されますので、アミノ酸の状態で摂取すると、早めに吸収することができると考えられます。
アミノ酸の役割についてですが、筋肉は常に分解と合成を繰り返しており、運動することでそれがさらに活性化されます。つまり、分解されていく率も高まりますので、分解に対抗して合成するためのアミノ酸が必要です。それに加えてクエン酸回路というエネルギーを産生するための回路にも使われてどんどん消費されていきます。
このようなことから、アミノ酸はエネルギー源というよりは、どちらかと言えば筋肉の回復系・働きをキープするという意味合いで捉えていただけると良いと思います。
このアミノ酸(タンパク質)は身体に蓄えられる量に限りがあるため、長時間のウルトラマラソンにおいては定期的に補給することが望ましいです。
今回の失敗は、このアミノ酸系を持っていき忘れたことです。
(正確に言えば、無くても行けると判断が甘かっただけw)
今回は「プロテインバー持ってけばええやろ」と安易に考えてしまったことで、吸収効率の悪いものを持っていってしまい、アミノ酸を効率よく補給できてなかったように思います。(同行していた人はメダリスト9000を飲んでめちゃくちゃ元気出たと言ってました)。
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アミノ酸には、ジェル以外にも顆粒タイプのものもあります。手持ちの水分やエイドで水分と一緒に摂取することで吸収も速く、そして顆粒の方が重さも軽量ですので、持参されることをオススメします。
どのくらいの頻度で摂取するといいのかは、色々なサイトで色々言われていますが、エビデンスを調べても正直分かりませんので自分の体で試しながら、ある程度目安が決まれば再度ご紹介させていただきます。今の自分の感覚的には3時間に1本くらいかなと思っています。皆様はぜひ試しながら自分にとって良いタイミングを探してみてください!
ミネラル系
鯖街道でかなり重要になるのが、ミネラル系です。
なぜなら、鯖街道は例年暑い!!!
しかも暑熱馴化が十分にできていない体であることが考えられるため、ミネラルが汗と一緒に出ていきやすいのです。
ミネラルの不足は、足攣りの原因であったり、筋肉の働きを鈍くする、疲労骨折の原因になるなどかなり影響を及ぼしますので、持参することは必須です。
今回エイドでのスポーツドリンクは結構薄い場合もあり、ミネラルとしては塩飴みたいなものしかなかったため、エイドだけでは十分なミネラルの補給は難しいと考えた方が良いです。
今回は、2-RUNとウルトラミネラルタブレットを持参しました。
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ここでタブレットタイプの補給に関する実体験をご紹介いたします。
いくつか2-runやカツサプなどそのまま飲むタブレットタイプの補給を使用しました。レース終了後、悲しい現実を知ることとなります。
トイレに行き排便すると、なんとタブレットがそのままの形でいくつか残っているではありませんか!!
つまり消化・吸収されずにただ胃腸を通過してしまったようです(高かったのに( ; ; )))
胃腸が弱めの人、ロングレースになり胃腸トラブルが生じやすい人は、タブレット系の補給は飲み込むと説明が書かれていても噛んでから飲んだ方が良いかもしれませんのでご注意ください。
水分
最後に水分です。
これも個人差がありますので、悩ましいところですが、あくまでも完走を目指すという方向けというところで焦点を絞らせていただくと、ソフトフラスク2本を持っていくことをオススメします。
エイドは結構多いため、1本でもある程度持ちますが、あえて2本としているのには理由があります。
味変w
スポーツドリンクだけでは甘すぎるし、水だけではミネラルや糖質を全く補給できない。
またどっちも飲みたい時に対応できない!
そんな理由ですw
ですので、エイドではあえて満タンにはせず、各半分〜2/3ずつをオススメします(満タンにすると重いので)。
ちなみに、スタートから下根来エイドまでの10kmは涼しい時間帯の平坦なロードが中心ですので、持っていく水分は最小限にして、荷物を軽くすることをオススメします。下根来〜上根来あたりで必要量を補給しましょう。
荷物を入れるもの
トレランで使うようなベストタイプのもので行くのか、それともウエストポーチか。
これは持つ荷物によって異なります。
フラスク2本持っていくのであれば自然とベストタイプのものになるし、1本でいいならウエストポーチ。はたまた、ハンドボトルとウエストポーチという選択肢もアリですね。
完走を目指すような感じの方はフラスク2本にジェルなどの補給食をそこそこの量持つと思われますので、ベストタイプのもので持参する方が良いと感じます。(ウエストポーチをパンパンにすると揺れが気になる)
私は長時間行動時はベストタイプと決めていますので、今回もそのようにしました。
容量の少ないタイプ(サロモン)も持っていますが、走行中のフラスクの揺れが気になるため、今回のものにしています。
揺れ感は結構重要なポイントなので、購入される際はお店の人とよく相談してサイズ等合わせてくださいね!
装備を持って補給しながら一度走ってみること
最後に、大切なことが全ての装備と補給を持って、試すことです。
水分1Lくらいにジェル等補給系を持って走ると結構な重量になり、足腰の筋肉にかかる負担が増えます。
普段全く重量を持たずに練習して、当日いきなりその重量を持つと、思いもよらない箇所が疲労したり攣ったりと、かなりバテますので一度は装備を持って走ることをオススメします。
また、ジェル等は高いので勿体無いという気持ちもあるとは思いますが、自分の体が受け付けるのか、味が口に合うのか等確認しておくことで、持っていく補給系が固まっていきますので、完走のためにぜひ使用して試してみましょう。
まとめ
今日は鯖街道77kmをとにかく完走したい人向けに装備や補給について現時点での考えをご紹介いたしました。
ポイントとしては、
・トレイルに慣れている人はロードシューズで行けそう、それ以外はロード寄りのラグが浅めのトレイルシューズ
・糖質はジェル等吸収の速いものがオススメ(その他固形物はエイドで)
・補給を持ちすぎると重くなるので注意
・アミノ酸系は顆粒の方が軽くて吸収しやすいかも
・ミネラル必須!
・水分はソフトフラスク2本がオススメ(満タンにはしない)
・装備と補給を持った状態で練習しておく
以上となります。
ここまで説明しておいて何ですが、くれぐれも、「このサイトに書いてあったから」、とか「これがいいらしい」などといった決め方をせずに、自分にとってどうかという基準で考えてみてくださいね(^^)