
【効果検証】マッサージガンはランナーのケアに良い!
本記事では、マッサージガンはランナーにとって良いケアの道具であると考える理由を、論文を引用して紹介をしています。
こんにちは、ヒロです。
マラソンやトレイルのランナーの皆様はこのコロナ禍いかがお過ごしでしょうか?
私はと言いますと、中々マラソンのレースがない中でも、日々黙々と練習を積み重ねております。
いざレースが来た時に、一発で大きく自己ベストを更新してやるのだー!
さて、そんな中でやはり注意しなければならないのが、ケガですよね。
普段のケアとしては、ストレッチやマッサージなど色々な方法があります。
その中で、ここ最近出てきているのが、マッサージガン。
皆様はもうお試しになりましたか?
私は、最近試して非常に良いと感じました。
そこで今日は、理学療法士の視点からMYTREX REBIVEの簡単なレビューと注意点や効果についてご紹介いたします。
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価格:21,780円 |
目次
マッサージガンとは?
まず初めに、マッサージガンの存在を知らない方のために、簡単な説明をしておきます。
マッサージガンは、従来の震えるタイプのハンドマッサージ機とは異なり、銃のような形状をしており、肩叩きのような振動を組織に与えるものです。その振動の速さは機種により異なりますが、1分間に数千回といったものになります。
アメリカでブームになったHYPERICE社のHYPERVOLTが火付け役と思われます。
最近ではトップアスリートのCMも流れていますね。
アスリートの方が利用されるケースが多いですが、一般の方のセルフケアにも非常に有効な道具です。
マッサージガンの種類も現在は多数売り出されており、振動数、振動を与えるアタッチメントの形、静音性、重さ、値段などから総合的に判断することとなります。
それぞれの特徴を把握して自分が必要なものを選びましょう。
できれば実際に家電量販店などで試してみることをオススメします。
MYTREX REBIVE
そんな中で私が購入したのが、MYTREX REBIVEです。

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価格:21,780円 |
これ、実際に家電量販店に置いていたものを試して一目惚れです。
良かった点ですが、
・コスパ
・アタッチメントが5種類で使いたい形状は揃っている
・手に伝わる振動が少なめ
・その場で足が楽になった
この辺を詳細にご紹介いたします。
まずはコスパ。
値段がおよそ20,000円と、マッサージガンの中ではリーズナブルな方。
HYPERVOLTは正規品の定価30,000〜70,000円の幅であるため、コスパとしては十分です。
次にアタッチメント。
下の写真の様に5種類のアタッチメントがあり、細かく当てたいところや背骨周囲、広範囲に当てたい場所など、自分の用途には大体当てはまる形状が揃っています。
そして、手に伝わる振動。
こういったハンドマッサージ機の類のものは、手に伝わる振動が不快で、長く使用するのが嫌になるイメージでした。
でもこれは手に伝わる振動がかなり抑えられており、10分程度使用する分には特に不快感は感じませんでした。
最後に、即時効果。
実はこの試した日の午前中に3時間ほどランニングをしていました。
トレイルを挟んでいたため、ふくらはぎがだるいなーと感じていました。
そこに1分程当ててみたのですが、直後から軽い軽い!
かなり疲労が軽減した感じで、翌日も楽な感覚でした。
このような点から、即買いしてしまいました。
おまけで言えば、日本製というのも少しあります。
マッサージガンの効果
実際に使った感覚はかなりいい感じ!
でも、私がそう感じただけで、マッサージガンの効果は実際にはどうなのでしょうか?
そこで、この効果については科学的に検証されているのかを確認していきましょう。
KONRAD, Andreasらは、Hypervoltを疲労したふくらはぎに使用して即時効果を検証したところ、足関節(背屈)の可動域の拡大を認め、筋力の低下は認めなかったことを報告しています1)。
実際のマッサージガンを使用した報告はまだ多くないようでしたので、マッサージガンの特徴である振動とマッサージで分けて効果を調べてみました。
まず振動の効果についてです。
振動はパワープレートなど筋肉を鍛える使い方もされますし、疲労軽減のために使われたりもしています。振動の強さによって、筋肉の収縮を促したり、筋肉をリラックスさせたり、血流を増やしたり疲労物質の循環を早める狙いも考えられます。
BROADBENT, Suzanneらはトレッドミルを使って運動強度70%に設定したダウンヒルランニングにより疲労させ、振動による介入を行った結果、何もしない人に比べて、効果は少ないもののふくらはぎと臀部の遅発性の筋肉痛の軽減を認めて、IL-6という炎症に関わる物質の高い軽減効果を認めたと報告しています2)。
LU, Xingangらは、複数の論文(10件,計258名)を用いたメタアナリシスにより、振動を使った介入で24〜72時間の筋肉の痛みの減少と、24〜48時間後のCK値(筋肉のダメージの目安の指標)に効果的である可能性を報告しています3)。
※この論文はバイアスが高いのであくまでも可能性ということで。
そして、マッサージの効果。
マッサージ効果は、血流の増加や炎症物質の軽減、筋疲労の軽減など様々な可能性が考えられます。
しかし、手技や施術者のレベルなどの違いにより、明確な効果を科学的に検証することは難しいのかなとも感じています。
その中で、DUPUY, Olivierらは複数の論文を用いたメタアナリシスにより、CK値、IL-6、自覚的な疲労感と筋肉痛に効果がある可能性を報告しています4)。
マッサージガンは、こういった振動とマッサージの両方の特徴を持っていると考えられるためランナーの筋疲労の改善に効果があるのではないかなと強く感じています。
なぜランナーに良いのか?
それでは、本日の話のもう一つの焦点であるランナーのケアになぜぴったりなのか。
それは、ランニングやトレランで疲労するストレッチのしにくい部位をケアできるからです。
具体的には、足首周り、スネの外側、ふくらはぎの内側、お尻。
この辺りに対して非常に効果的と感じています。
上記の部位はストレッチできなくはないですが、伸びた感が少ないし満遍なくケアしにくい場所です。
でも上記で挙げた部位は、ケガを予防する上では大切なポイントにもなる箇所です。
MYTREXもそうですが、先端のアタッチメントを、うまく部位に合わせて使うことでケアが非常にしやすいです。
この辺りについては、書き出すと長くなりそうなので、次回のブログでまとめたいと思います!
注意点
どんな機器でも万能ではありません。
この類の機器も調べていたら、ちょっと怖いものがありました。
CHEN, Jianらは、鉄欠乏性貧血を持つ25歳の中国人女性が、サイクリング直後の疲労を軽減する目的でマッサージガンを使用したところ、横紋筋融解症という筋肉が破壊される症状を引き起こしてしまったことを報告しています5)。
これを読んで考えたことは、マッサージガンの叩く感じの特徴が、かえって疲労した筋肉の破壊を引き起こしてしまったのかなと感じます。
多くはないと思いますが、このようなリスクを持っていることは認識しておいた方が良いと考えます。
ということで、使用に関する注意点として私が考えたことは、
・強さは最も弱いレベルで始める
・同一箇所に固定して当て続けない(動かしながら使う)
・似た部位に長時間当て続けない。
・痛みを感じるのであれば、当て方を弱くして心地よい感じにとどめる。
・骨には当てない
こういったところは注意しなければ、かえって逆効果とも考えます。
まとめ
今日はマッサージガンの効果について実体験と、調べたことをご紹介いたしました。
結論としては、
・マッサージガンには色々な種類がある。
・MYTREX REBIVEはコスパとしては非常に良い
・疲労軽減、筋肉痛の軽減、炎症の軽減効果がありそう
・注意しないと逆に筋肉を壊すかもしれない
といったところです。
こうなってくると、実際の当て方気になりますよね。
次回は、私が使用している実際の使用例についてご紹介したいと思います(^^)
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出典
1)KONRAD, Andreas, et al. The acute effects of a percussive massage treatment with a hypervolt device on plantar flexor muscles’ range of motion and performance. Journal of Sports Science & Medicine, 2020, 19.4: 690.
2)BROADBENT, Suzanne, et al. Vibration therapy reduces plasma IL6 and muscle soreness after downhill running. British journal of sports medicine, 2010, 44.12: 888-894.
3)LU, Xingang, et al. Does vibration benefit delayed-onset muscle soreness?: a meta-analysis and systematic review. Journal of International Medical Research, 2019, 47.1: 3-18.
4)DUPUY, Olivier, et al. An evidence-based approach for choosing post-exercise recovery techniques to reduce markers of muscle damage, soreness, fatigue, and inflammation: a systematic review with meta-analysis. Frontiers in physiology, 2018, 9: 403.
5)CHEN, Jian, et al. Rhabdomyolysis After the Use of Percussion Massage Gun: A Case Report. Physical Therapy, 2021, 101.1: pzaa199.

