ランニング

【補給計画の参考に】ランナーの栄養〜糖質編〜

本記事では、ランニングにおける糖質についてご紹介しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

六甲縦走キャノンボールが明日となりました!

ここまで来ればもうジタバタしてもしょうがない。

 

あとは当日を楽しく走り切るのみ!

 

さて、そんなレースを楽しく走り切るために大切なのが栄養の補給です。

 

今日は栄養の中の糖質に焦点を絞って大まかなポイントを整理しておきたいと思います!

 

なお、今日の内容は下の書籍を参考にしております。

 

 

栄養のことが非常にまとまっている書籍ですので、ぜひともご一読をオススメいたします!!

 

糖質とは

 

まず糖質について整理しておきましょう。

 

炭水化物という表現もありますよね。

 

糖質は、もうご存知の方も多いと思いますが主要なエネルギー源となります。

 

糖質1gでおよそ4kcalのエネルギーが産生されます。

 

糖質は、構造別に単糖類、二糖類、多糖類と分けられています。

よく聞く糖質を振り分けると、以下のような分類になります。

 

単糖類:グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)

 

二糖類:スクロース、マルトース

 

多糖類:デキストリン、デンプン、グリコーゲン

 

 

これらの違いは吸収率という観点から大切になってきます。

 

構造が簡単になればなるほど、体に吸収される速さは上がりますので、ブドウ糖などの単糖類は、吸収されてエネルギーに利用される速度が速くなることが考えられます。

 

ちなみに、糖質は小腸で吸収されて血液を巡り、筋肉に回されてエネルギーとして使われていきます。

 

使われずに余ったものは、筋肉と肝臓に蓄えられます。

 

蓄えられる量には限界があり、肝臓に300~350kcal分、筋肉に1,500〜2,000kcal分と言われています。

 

 

糖質が含まれている食べ物

 

ランナーの方にとってはもはや常識中の常識かもしれませんが、一度整理しておきます。

 

パンやお米などの炭水化物や、ジャガイモなどの野菜・果物など多岐に渡ります。

 

食べて甘みを感じるものは糖質が含まれています。

 

ただし、同じ100gでもそこに含まれている糖質の量は異なるので注意が必要です。

 

以下の表で100gあたりで比較してみましょう。

 

食パン 46.7g
ご飯 37.1g
うどん 21.6g
みかん 11.9g
じゃがいも 18.1g

※アプリ『Lorraine』より

 

このように、同じ100gを食べても中に含まれている炭水化物の量が異なるため、体に取り込まれる糖質の量も変わってきます。

 

 

必要な糖質摂取量

 

ランナー限らず、アスリートにおいては、1日あたり5-10g/kgが望ましいと言われています。

 

つまり体重60kgの人であれば、300~600gの炭水化物を1日の中で摂取するということになります。

 

ただし、炭水化物は総エネルギー摂取量の60%までという推奨もあり、上記の数字はあくまでも目安としておきましょう。

 

この目安からすると、結構な量の炭水化物が必要となりますので、食が細い人は小分けに摂取する必要がありますね。

 

 

ランニング時の糖質の使われ方

 

これ、時々勘違いされている人に出会うため、きちんと整理しておきます。

 

ちなみにどんな勘違いかと言いますと、

 

「激しい運動の時が糖質で、心拍を抑えて走れば脂質代謝になるので、糖質を使わないでしょ。」

 

これです。これのことを踏まえて糖質の使われ方を整理しましょう。

 

エネルギーの産生には主に糖質と脂質が関わります

 

脂質は1gで9kcalのエネルギーを産生することができて、体に何万kcal単位で蓄えることができるので、持久系スポーツでは脂質をもとにエネルギーを産生することが望ましいです。

 

しかし、心拍数の上昇により負荷が高くなると、脂質から糖質へエネルギーの利用比率が変わっていきます。

 

実際、乳酸性代謝閾値(LT値)を超えるような負荷での運動ではエネルギーをたくさん体に回さなければならないため、エネルギーに変換されやすい糖質がかなり使われることになります。

 

この辺が勘違いを生むポイントです。

 

「LT値以下の運動は脂質代謝だから糖質は使わない」

 

これが勘違いです。

 

脂質を分解してエネルギーに利用するには少量の糖質(グルコース)が必要であり、長時間の運動を続けている以上は糖質は消費され続けます。

 

完璧に脂質代謝の体になっている方はさておき、大半の方はそうで無いと思います。

 

ですので、低負荷だからといって余裕をこいて糖質を補給しないと、脂質をエネルギーに変える過程で知らず知らずのうちに糖質を消費してしまいかねません。

 

貯蔵量が限られる糖質ですので、この辺はボディブローのようにジワジワと効いてきます。

 

こういったことから、苦しさをあまり感じない序盤からでも糖質を定期的に補給しておくことが重要なポイントとなります。

 

 

レース前日までの糖質摂取

 

ここまでご説明させていただいたように、糖質は持久系スポーツにとても重要な役割を果たします。

 

ですので、レースまでには体に貯められるだけ貯めておきたいところですよね。

 

そのために必要なのがグリコーゲンローディングです。

 

ポイントは、運動負荷を減らして使用する糖質の量を減らし、糖質をいつもより多めに摂取することです。

 

レースが近づいてくると、疲労なく本番を迎えて力を発揮するため運動量を減らす方が大半だと思います。そのため、練習での糖質の使用量が減少します。

 

そこにかけて、いつもの食事より糖質を増やすと体にためることができるというものです。

 

目安としては、体重に対して1日あたり10~12gです。

 

体重60kgの人であれば、1日600~720gとなります。

 

レース中の糖質補給の考え方

 

さて、大事なレース中の糖質補給の考え方についてご紹介いたします。

 

1〜2時間の運動:1時間あたり30g

 

2〜3時間の運動:60g

 

2.5時間を超える運動では90g

 

と推奨されてます1)

 

ですので、ミドルレース以上のトレイルランなどは結構な糖質量がパフォーマンス維持には必要になります。

胃腸が強い人がレースに強いというのはこういう点からもよく分かりますね。

 

さすがに90gの糖質を摂ろうと思うと、普段から慣らしておかないと急に試して胃腸障害を起こして下痢や腹痛になりそうです。普段の練習から食べながら走る練習も必要そうですね。

 

では何から糖質を摂取するか。

 

ジェルや固形物、果物などの食品、高糖質のドリンクなど選択肢は多いです。

 

先程の文献によると、グルコース単独で摂取するよりも、フルクトース(果糖)など複数の種類の糖質を摂取した方がエネルギーになるまでの酸化スピードが速いということらしいです1)

 

ということで、複数の糖質が入っているものというのは、まず選択肢として考えておいた方が良さそうです。

 

あとは、当たり前ですが自分に合うもの。

 

自分に合うというのは、自分の胃腸の消化能力を加味して考えます。

 

胃酸の出方など人によって違うと思いますので、固形物ばかり食べても大丈夫な人もいれば、下痢になる人もいますし、ジェルばかりでも大丈夫な人もいれば、胃酸が出過ぎて胸焼け・嘔吐してしまう人もいます。

 

普段から練習で試しておいて、自分に何があっているか確認しておくことが非常に大切だと考えます。

 

 

ビタミンもセットで補給する

 

糖質はセットでビタミンの摂取も大切です。

 

糖質は大事なエネルギー源ですが、糖質単独ではエネルギーになることができません。

 

ビタミンB群は糖質がエネルギーになる過程において非常に重要な物質です。

 

特にビタミンB1は最重要な栄養素となります。

 

食べ物としては、豚肉やナッツ類、全粒粉に多く含まれています。

 

レース中も含めて、ビタミン摂取を忘れないようにしましょう。

 

まとめ

 

今日はランニングやトレイルランニングにおける糖質についてご紹介いたしました。

 

ポイントとしては、

 

 

・糖質は1gで4kcalのエネルギーとなる

 

・糖質は高負荷運動時だけでなく、脂質代謝となる低負荷運動時でも消費する

 

・レース前には体重1kgに対して10~12g摂取してローディング

 

・レース中は複数の種類の糖質を摂取する

 

・1時間置きに糖質を摂取する

 

・ビタミンもセットで考えておく

 

 

以上となります。

 

明日は六甲縦走キャノンボール。

 

今日はモリモリ食べて明日に備えたいと思います(^^)

 

具体的な補給については、また逐一ご紹介していこうと思います!

 

 

引用

1)JEUKENDRUP, Asker. A step towards personalized sports nutrition: carbohydrate intake during exercise. Sports Medicine, 2014, 44.1: 25-33.

 

参考文献

ダン・ベナードット著(2021).スポーツ栄養学ハンドブック  東京大学出版会