たんぱく質
ランニング

【ランナーは必須】パフォーマンスアップのためにたんぱく質をしっかり取りましょう

この記事はランナーにとってたんぱく質は大事ということをご紹介しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

マラソン大会が再開され始めましたね。

私も3月の篠山ABCマラソンにエントリーしました!

 

およそ3年ぶりくらいのマラソン大会なので、今からウキウキが止まりません。

絶対ベスト出します!

 

さて、そんなパフォーマンスアップに一役買ってくれるのが、実はたんぱく質なのです。

 

今日はたんぱく質がパフォーマンスアップに関わるという点をご紹介したいと思います。

 

たんぱく質について

 

まずは、たんぱく質のことについて簡単に整理しておきましょう。

 

主に肉や魚に含まれており、糖質・脂質と並ぶ三大栄養素の一つとして、筋肉を作るために最も重要な栄養素となります。

 

加えて、たんぱく質を摂取する上で考えておくことがアミノ酸スコアです。

 

たんぱく質は複数のアミノ酸から構成されています。

体に吸収される時は、消化の過程においてたんぱく質が分解され、アミノ酸となって体に取り込まれます。

 

その中で、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンは体の中で合成することができないため、必須アミノ酸とよばれます。

 

この必須アミノ酸が食品中にどれだけ含まれているかというのがアミノ酸スコアです。

 

アミノ酸スコアが100ということは全ての必須アミノ酸がバランスよく含まれていることを表し、どれかが欠けている場合はアミノ酸スコアは下がります。

 

アミノ酸スコアにはたんぱく質消化・吸収率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)や消化性必須アミノ酸スコア(DIAAS)という指標やがあり、たんぱく質の消化性の違いを考慮した手法計算方法があるようです1)

興味のある方は、ぜひググってみてください。

 

それらを考慮して、良い食べ物としては、卵白、ホエイプロテイン、カゼイン(乳たんぱく)、食肉類が高い数値の食品となります。

 

ちなみに、たんぱく質は胃酸で分解されて、アミノ酸が小腸で吸収されることになりますので、胃酸が少なくてたんぱく質を十分に分解できない人は吸収率が低下することが考えられます。

 

このあたりはトレイルやウルトラマラソンなど長時間行動時のエネルギー切れの一つの要因じゃないかなと思っています。食べ物を摂取するときに少し酸味のあるもので胃酸分泌を促すのも作戦の一つかなと考えます。

 

1日の摂取量はどのくらい?

 

たんぱく質の摂取量は1日あたりでどのくらいか確認しておきましょう。

 

アメリカスポーツ医学会共同声明において、アスリートは1日体重1kgあたり1.2~2.0gのタンパク質を摂取することが望ましいと言われています2)

 

例えば体重60kgの方だと72~120gのたんぱく質が必要になります。

 

食品100gに対する含有量としましては、以下が一例です。

 

牛肉(肩) 17g
豚バラ 14g
とりむね 20g
ゆで卵 13g
牛乳 3.3g
サバ缶 21g

出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

 

ちなみにこの分量を超えて摂取しても、筋肉やパフォーマンスがアップするというエビデンスはまだ明らかではないようです(変わらない、もしくは尿素窒素が増えて内臓への負担が上がる可能性がある)3)

 

そして、1食あたりのたんぱく質摂取量は0.25~0.3g/kg体重、または15~25g程度と推奨されています1)

※体格が極端に大きい場合は調整必要ですがランナーはそんな体格の人はないと思われます。

 

これに関連する報告として、ARETA, José Lらの調査では、同じ80gのたんぱく質を摂取する上で、10gのたんぱく質を1.5時間ずつ8回摂取したグループと、20gを3時間ごとに4回摂取したグループ、40gのたんぱく質を6時間で2回摂取したグループを比較し、筋肉の合成速度については20gを3時間ごとに4回摂取した群が最も良い結果であったことを報告しています(特に4~6時間と6~12時間の時点)4)

 

つまり筋肉の回復には3食のみのドカ食いではなく、小分けにして時間をあけつつたんぱく質を摂取すると、うまく筋肉が作られる環境に望ましいということになります。

 

ちなみにたんぱく質が不足すると、体は筋肉から分解して使おうとするため、筋肉がうまく強くなれなかったり、逆に筋力低下を起こす要因にもなりかねません。つまりパフォーマンスが一向に上がらないどころか、下がる可能性すらあるわけです。

 

こういったことから、自分にとって必要量のたんぱく質は、脚の筋肉を酷使するランナーにとって必要不可欠なものになります。

 

たんぱく質摂取の効果

 

それでは肝心のパフォーマンスに関する効果は検証されているのでしょうか。

 

やはり世界は広いですね。ありました。

 

HUANG, Wen-Chingらは、男子大学生のアスリートを対象にトレーニングの後30分以内にホエイプロテインを摂取した群と、同カロリー量の糖質(マルトデキストリン)を摂取した2群に分けて3週間の練習とマラソン大会出場、その1週間後に9分および12分間走を実施しました。結果、筋肉のダメージを表すLDHとCKの血液データが糖質をとった群ではマラソン後に悪化していたのに対して、プロテインをとった群では上昇せず、糖質の群よりも低い結果となりました。また、9分および12分間走の結果もプロテインを摂取していた群の方が良かった結果となっています5)

 

競技は異なりますが、自転車アスリートを対象にした調査では、糖質摂取だけでなく、糖質とたんぱく質を併せて摂取した方が疲労困憊までの時間が長くなる可能性も指摘されています6)

 

こういった報告から、ケガ予防や練習やレースからのリカバリー、パフォーマンスアップにかなり重要なのではないかということが示唆されます。

 

あと注意点ですが、たんぱく質を気にしすぎて、糖質の摂取量がおろそかになると、たんぱく質が効率的に機能しませんので、ランニングで消費した分の糖質と合わせて補給するようにしましょう。

 

プロテインはどうなの?

 

よく聞く話題として、プロテインをしっかりとったら良いのでは無いかということが挙がります。

 

私の考えとしては、基本的には食事からの摂取を考えることを最優先だと思っています。

 

理由としましては、①摂取目安量をを超えて摂取してもあまり効果は確認されていないこと、②プロテインにはたんぱく質以外の食品添加物も多く含まれていること、③食事から取る場合には他の栄養素も摂取できることなどです。

 

以上を踏まえ、どうしても食事が食べられない時や、必要たんぱく質量が食事からでは足りない時に使うという程度かと思っています。

 

食べられるということも、マラソン(前日までのグリコーゲンローディング)や長時間のレースになると強みになってきますので、強い消化器官を作り上げる意味で、しっかり食事を食べましょう。

 

私自身の実践

 

こういった点を知ってから、食事や補給についてはかなり意識するようになりました。

 

まず、3食には必ずたんぱく質を摂取するようにしています。

 

朝は納豆や味噌汁(具には油揚げ)、昼はお肉、夜は魚と必ず3食にはたんぱく質が入るようにしています。

練習は夕食前に行い、すぐに補給となるようにしています。

 

休みの日のいつもより長い時間の練習後や行動の間には、糖質だけでなくプロテインバーやたんぱく質が豊富な食品を選ぶように心がけています(もちろん3食とは別)

 

休みの朝ごはんなど、ついついパンとコーヒーで済ましてしまいたくなるのですが、これではたんぱく質が全く摂れ無いため筋肉に対しては最悪なのです。

 

今のところケガや筋疲労、筋肉が痩せたりパフォーマンスの低下もないので、大きく間違ってはいないと思われます。

 

今後もっと練習内容が激しくなって、体のだるさがひどくなれば、自分の推奨される必要量を守りながら、3食の間の補食もしていく必要があるとは思われます。

 

 

まとめ

 

今日は、ランナーにとってとても大切なたんぱく質についてご紹介いたしました。

 

今日のお話のポイントとしては、

 

POINT!・たんぱく質は筋肉を作ることやリカバリーに絶対必要

 

・アミノ酸スコア(PDCAASやDIAAS)を意識して良質なものを摂取

 

・摂取量は体重1kgあたり1.2~2g

 

・1食あたりのたんぱく質摂取量は0.25~0.3g/kg体重、または15~25g程度

 

・たんぱく質の適切な摂取でパフォーマンス改善の可能性あり!

 

といったところです。

 

今から本格的にレースが再開されていきます。

 

練習の負荷も増えていくでしょうから、たんぱく質を意識してケガなく練習を継続できる筋肉を作りあげ、パフォーマンスアップを目指しましょう!

 

今後、オススメのたんぱく質を摂る食べ物なんかも私目線でご紹介したいと思います(^^)

 

 

出典

1)ダン・ベナードット著(2021).スポーツ栄養学ハンドブック  東京大学出版会

2)THOMAS, D. Travis; ERDMAN, Kelly Anne; BURKE, Louise M. American college of sports medicine joint position statement. nutrition and athletic performance. Medicine and science in sports and exercise, 2016, 48.3: 543-568.

3)PHILLIPS, Stuart M. Dietary protein requirements and adaptive advantages in athletes. British Journal of Nutrition, 2012, 108.S2: S158-S167.

4)ARETA, José L., et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. The Journal of physiology, 2013, 591.9: 2319-2331.

5)HUANG, Wen-Ching, et al. Whey protein improves marathon-induced injury and
exercise performance in elite track runners. International journal of medical sciences, 2017, 14.7: 648.

6)STEARNS, Rebecca L., et al. Effects of ingesting protein in combination with
carbohydrate during exercise on endurance performance: a systematic review with meta-analysis. The Journal of Strength & Conditioning Research, 2010, 24.8: 2192-2202.