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【完全主観】こんな市民ランナーはケガをする!〜vol.1練習量〜

この記事では市民ランナー向けに、「こんな人はケガしやすい」ということについて練習量の観点から個人の見解をご紹介しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

前回のブログでランナーのふくらはぎのケガの予防について論文の情報を含めてご紹介いたしました。

 

今回から3回に分けて、完全に私の主観で「こんな人がケガをする」というテーマで考えをご紹介してみたいと思います!

※私自身は理学療法士という身体のことに関する仕事をしてはいますが、あくまで一市民ランナーですので、アマチュアランナーの人に向けた記事となっています。

 

ポイントは

 

・練習量(内容)

 

・食事

 

・ケア

 

この3点に焦点をしぼって考えをご紹介いたします。

 

この3点の中で、今日は練習量(内容)についてです。

 

ちなみに私はランニング歴は約7年ですが、最初の3年はほとんど練習しておらず、真面目に走り始めたのは2017年からです。初めてのフルマラソンは4時間30分くらいのサブ4すらできなかった庶民ランナーです。ただ、今まで医療や整体にかかるようなケガはなく練習を継続できており、その間、100kmのウルトラマラソンや40km程度のトレイルランニングを完走しています。フルのタイムはその後はコロナで大会がなくなってしまったので、最後に出たのは3年前くらいで3時間41分です。

最近の走力は、セルフのハーフマラソンで1時間35分くらいで、フル3時間20分前後をターゲットに練習をしております。

 

というわけで、一般市民ランナーなレベルです。

 

そんなランニング歴の中で、「自分はこれ以上やったらケガするな」や「あの人、〇〇だからケガしたんかな」など思う事があります。

そんな内容になっております。

 

それでは、練習について4つの観点から考えをご紹介いたします。

 

距離をいきなり増やしすぎ

 

まずは距離です。

距離については、1回の距離だけでなく、週間・月間の累積距離を含みます。

 

1回の距離について

普段10kmしか走らないのに30km走をしてみようとか、1時間しかランニングしていない人が3時間走するなどのイメージです。

 

昔、真面目に練習していない時は1回で10km、長くても20km程度までしか走っていない状態で、フルマラソンに出た事が2度ほどあります。

もちろんタイムは悪く、情けないことに1回はリタイアでした。大会後数日は筋肉痛がひどく、歩き方も変になっていた覚えがあります(小鹿状態ですねw)。

 

幸いケガには至りませんでしたが、ケガにつながっていてもおかしくありませんでした。

 

こういった経験から、やはり段階的に1回のランニング距離を伸ばして、脚の筋肉を徐々に慣らしていく事が大切と考えます。

 

初心者の方は、まずは5kmもしくは30分と決めて、走り続けるのではなく、歩きも混ぜて実施し、終わった時や翌日の筋肉痛や関節の痛みを基に調整するのが望ましいと思います。(もちろんその間に痛くて走れない場合は短縮)。

 

週間・月間の累積について

 

「サブ3(サブ4)には月間(週)〇〇km走りましょう!」なんて記事を見かける事がありますが、自分の現状の能力を無視して週間や月間の距離を目標にするとちょっと危ないと思います。

 

以前のブログでも少し触れましたが、週間走行距離はその前の週に比べて30%以上増やすとケガのリスクが上がるとも言われていますので、週間走行距離は徐々に増やす事が大切です。

 

月間走行距離については、週間走行距離を積み重ねた結果ですので、数字を目標にするのではなく、結果的に振り返ると月間走行距離が増えていたというのが理想です。

 

私自身そうでしたが、週2回だった練習を3回に、1回の距離を10kmから12kmにと無理せず地道にコツコツ距離を延ばすと、耐久性が上がって自然と距離を走れる脚をつくることができます。結果的に累積の走行距離は長くなります。

 

また、フルマラソンを完走してウルトラマラソンやトレイルランなどに挑戦する方にとっても、焦って距離を延ばしすぎないようにすることは大事なことと考えます。

 

マラソンや持久系のスポーツに近道はないと思います。

短期間で追い込んで結果を出そうと近道をすることは、ケガをするリスクと隣り合わせになりますので仮にうまく行ったとしても、いつか痛い目を見るような気がします。

 

週単位での増加する距離や自分の体と相談しながら、目標に対して継続的に長期的に取り組むことを大切です。

 

 

週末の連休で負荷上げすぎ

 

これも市民ランナーあるあるですよね。

仕事で平日忙しく練習時間が取れないため、週末土日に一気に負荷をかける人。

 

セット練という言い方もしますよね。パフォーマンスアップにも効果的な練習と言われます。

 

負荷にもよりますが、これも注意が必要と考えます。特に2日目。

 

例えば土日でまとめて練習する場合、土曜日は脚が回復しているタイミングなので、ケガのリスクは低いと思われます。

 

問題は次の日。

 

土曜日の疲労(筋肉のダメージ)が残った状態での練習となるため、筋肉のケガ(肉離れなど)のトラブルの確率は上がると考えられます。

そもそも筋肉のダメージ(小さな炎症)が完全に回復するには2週間程度かかるとも言われていますので、セット練ではダメージが増加もしくは蓄積してしまうわけです。

 

後半の粘りのためには、いい練習になるとは思いますが、誰でも取り組んでいいわけではないと感じます。

 

自分自身の体験からですが、土日の連続で負荷をかける目安としては、1日目の練習でほとんど筋肉痛が出なくなる(ちょっと脚が重いかな?程度)タイミングまでは向いていないと考えます。

 

週末しか走れないのであれば、土曜日は体力のゆとりを持って終わり、日曜日に練習できる余力を残すように意識することが、大きなケガなく練習を継続するためのポイントと考えます。

 

 

脈拍上げすぎ

 

ランニングを始めると、段々速く、そして長く走れるようになってきます。

 

それが楽しくて、ついつい負荷を上げてしまうのですが、ここも注意ポイントです。

 

さて、皆様は自分の負荷の強さについて、何を目安に決めていますか?

 

ラップタイム、距離、時間など色々な指標で決めることはできると思いますが、一番参考になるのは脈拍です。

 

速く走れば脈拍は上がりますし、長時間・長距離を最初からイーブンペースで走っても中盤から終盤にかけて脈拍が上がってきます。

 

これをもとに低・中・高強度とトレーニング負荷を分類するとわかりやすいです。

この辺については、過去のブログで説明しておりますので、そちらを参考にしていただけるとありがたいです。

夏のランニングは脈拍で管理しましょう

 

ここで言いたいのは、「脈拍が速い状態での練習は効果がありますが、ダメージも大きいですよ」ということです。

 

速く走ると、着地の衝撃は上がりますので脚のダメージは増えてしまいます。

ハァハァ息を切らせて練習すると達成感や追いこんだ感があって充実するのですが、そればかりしていると筋肉や半月板などの軟部組織はダメージが累積してしまいます。回復する前に次の強い刺激が来るとケガにつながる確率が上がると思われます。

 

長距離・長時間練習の場合でもそうですね。

脈拍が上がるということは、筋肉が必要としている酸素や糖質などのエネルギー量(ビタミンなどの栄養も含む)が増えているということです。それだけ、筋肉の働く仕事量が増えています。

 

こういった状態が長く続いてエネルギー切れになってくると、筋肉のスムーズな動きが段々と減ってきて、フォームが乱れ、筋肉や関節への負荷が上がってしまいます。このような状態になると、疲労がない状態で出すイージーなスピードでも、同じスピードを出すのに身体はかなり努力しなければならなくなります。ここからさらに無理を続けると、ケガに到る可能性が上がると考えます。

 

レース後半の失速、足つりやこむら返りはまさにこれですね。

そのまま続けると数日間小鹿状態になるし、酷い場合は肉離れにつながります。

 

普段の練習で言えば、同じ脈拍なのに「何でかいつも通りスピードが出ないんだよね〜」とか「なんかいつもと同じスピードなのにしんどかった」という人は、隠れ疲労要注意です。

 

ここで厄介なのが、自覚しているしんどさと脈拍は必ずしもリンクしないことです。

 

自覚的にはしんどくなくても、隠れ疲労のような状態では脈拍は高くなります。

実際、自分自身を振り返った時に、こういう状態の時に練習しても、通常よりも早く脈拍の変動が大きくなり、スピードも距離も長持ちしなかったと感じます。

 

ただ、この辺についてはランニング歴が長くなってくると、自分の主観的な感覚と脈拍がリンクしやすいと感じます。

 

初心者の人こそ脈拍をしっかりと確認して丁寧に負荷を決めた方が良いと考えます。

 

そうは言っても効果のある練習ですので、やるなら週1〜2回と決めてあまり過負荷にならないように注意しましょう。

 

 

休みが少ない

 

休息も重要なポイントです。

 

シリアスなランナーになればなるほど、休息を忘れがちです。

 

というのも、私自身そうなってきてるのですが、走らないとなんか気持ち悪いんですよね。

 

これ、ある意味依存症と同じ状態になっています。

 

練習頻度が増えると、回復する時間が短くなり間に合わなくなった時に、ケガの発症につながります。

 

数日走らなかった程度では、そこまで走力が落ちるわけではありませんので、体の違和感や疲労感を感じている時はスパッと走るのをやめて回復に努めましょう。

 

また、年間を通してずっと週間や月間の走行距離が高いのも注意した方がいいと思います。年間何回かは月間走行距離を少なくして回復の月に充てた方が、またそれ以降頑張れます。

 

レース後も同様ですね。

 

レースでは自分の全力を出し切るため、普段の練習よりもかなりきつめに身体のダメージが生じます。

 

アクティブレストといって次の日にジョギングした方が回復が速いという人もいますが、身体の修復過程を考慮すると大半の人は普通に休んだ方が回復は早いと思います。

 

私は1回アクティブレストを試たり、早めに練習を再開して逆に回復が遅れた失敗体験があります。

 

今は大会後は1週間程度はノーラン、2週間目も距離と頻度を落としてジョグ程度でケアに努めています。

 

しっかり食べて、しっかり寝て回復に努めることが何よりもケガの予防に重要なことです!

 

まとめと対策

 

今日は練習内容に焦点を絞り、こんな人はケガするという個人的な考えをご紹介いたしました。

 

「こんな人がケガする」と考える点は

 

・距離をいきなり伸ばしすぎ(1回・週間・月間)

 

・週末の負荷が高すぎ

 

・脈拍気にしなさすぎ

 

・休まなさすぎ

 

 

 

ですので、対策としては、

 

 

・週間走行距離は前週の20%ずつくらい増やす

 

・月間走行距離はあくまで週間距離の積み重ねの結果

 

・自分の体に合わせて脈拍で負荷を調整

 

・休みもしっかりとること

 

・長期的な視点で目標を設定する

 

 

 

以上が私の考える対策となります。

 

マラソンは短期間で結果は中々出にくいものだと思います。仮に短期間で出せたとしても、ケガのリスクが上がりますので、長期的な視点で練習し、ランニングライフを長く楽しみたいですね。