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【初心者ランナー向け】ランニング中に意識すること〜上半身編〜

本記事では、ランナーがランニング中に意識する上半身のポイントについてご紹介しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

今日は、ランニング中に意識することを上半身に焦点を当ててご紹介いたします。

 

前回のブログでも紹介いたしましたが、私のランニング歴は2015年から始めてかれこれ6年目くらいで、100kmのウルトラマラソンやトレイルランのミドルレース(40〜50km)を完走できるレベルです。

 

そんな私、ケガなくここまで練習やレースを継続できております。

 

そんな私の体験と、理学療法士の仕事での知識と経験から、ポイントを紹介させていただきます。

 

上半身のポイントは

 

 

・胸の骨を持ち上げる

 

・胸の骨の左右への動き

 

・腕の振り

 

・頭の位置

 

 

と考えています。

 

それでは、各項目についてご説明してまいります。

 

胸の骨を持ち上げる

 

まず第一のポイントは胸の骨を前方斜め上に持ち上げるイメージです。

 

胸の骨=胸骨です。

 

なぜ胸骨なのか?

 

それはこの辺に上半身の重心があるからです。

 

胸骨と上半身重心の位置
胸骨と上半身重心の位置

 

この上半身の重心が後ろへ行ってしまうと、股関節や膝関節を曲げる方向に上半身の重さがかかるため、前方への推進力を低下させてしまう一つの要因となります。

 

逆に上半身の重心が前方に位置することで、股関節・膝関節は曲がる方向への重さがかかりにくくなり、作用-反作用の力もうまく活用できて、足を支えるための大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前の筋肉やふくらはぎの筋肉の負担が減少すると考えられます。

 

 

あと前だけでなく、斜め上というところも忘れないようにしましょう。

 

背中が丸まって走ると、もちろん筋肉の負担にもパフォーマンスにとっても良くないです。

 

背中を伸ばす意識の中で腰を反ってしまう方もいますが、大切なのは胸椎と呼ばれる胸骨の真裏の背骨のところです。

 

胸骨を斜め上に持ち上げることで、自然と背中を伸ばした姿勢を作ることができます。

 

胸骨の位置による影響
胸骨の位置による影響

 

胸の骨の左右への動き

 

次も同じく胸骨ですが、今度は左右への動きです。

 

胸骨は肋骨の動きと連動して左右も少し動きます。

 

下の写真のように重心が股関節から離れれば離れるほど、足の外側の筋肉(中殿筋、大腿筋膜張筋、腓骨筋など)の負担が増大する可能性が上がります。

 

股関節と上半身重心位置
股関節と上半身重心

 

そのため、上半身重心が股関節の近くにあることも大切なポイントです。

 

理想を言えば、着地の瞬間は股関節の真上にあることが望ましいです。

 

そういった意味では、肋骨周りの筋肉が硬くなるとこういった動きが難しくなるため、この辺りのストレッチも大変重要となると考えます。

 

下の写真のようなストレッチが一つの例です。

 

胸郭ストレッチ(回旋と側屈)
胸郭ストレッチの一例

 

腕の振り

 

当たり前ですが、腕の振り大事ですよね。

皆様はどうやって振っていますか?

 

ポイントは2つ。

『体幹から』、『胸を張るように』です。

 

ここで私が意識しているのは、『体幹から振ること』です。

 

腕は下図のように上腕骨と肩甲骨が関節を作っています。

 

肩甲骨と上腕骨
肩関節の骨

 

上腕骨という腕の骨の部分だけを振ると肩のつなぎ目に負担がかかりますし、大事な体幹部分が動かないため効率的とは言えません。

 

そこで鍵になるのが、体幹(胸郭)

 

胸郭は、12本の肋骨が胸骨と脊柱につながって構成されています。この一本一本の肋骨においてわずかな回旋運動(ねじり)が生じます。この回旋をうまく使うことで、前方への推進力につなげることができると考えます。

 

胸郭と肩甲骨
胸郭と肩甲骨

 

こうして体幹から腕を振るイメージを持つことで、より大きな動きをつくることができ、かつ肩周りの筋肉の疲労を最小限に抑えることに役立ちます。

 

実際に試してみてください。体を動かさずに腕だけを振る場合と、体幹を意識して腕を振る場合。

 

体幹を意識した場合、動きが股関節まで連動する感じがありませんか?

 

ミドルレース以上のトレイルランやウルトラマラソンは行動時間が長時間になるため、こう言った効率のよい動きを意識することは大切なポイントです。

 

補足ですが、フルマラソン以上の行動時間となるレースでザックを持つ場合は、締めすぎて胸郭の動きを妨げないようにすることが注意点と思っています。

 

もう一つのポイントが『胸を張るように』です。

街を走っていて、初心者の方と思われる方が腕を前に振っているのを見かけます。

短距離走では推進力を作る意味で前に振り上げる感じでも良いと思いますが、長距離走ではオススメしません。

 

ではどうするのか。

胸を張るように振ります。ということは、体より後ろを意識して振ることになります。

なぜか。

これは足を振り出すのに関わる腸腰筋と呼ばれる筋肉との関わりが出てきます。

下の図に示しますが、腕を後ろに振って胸を張ると、股関節から胸までの前面の筋肉が引き伸ばされます。

 

胸を張ることの意味
腕を振る時の胸を張る意味

 

伸びた筋肉は縮もうとする時にも力を発揮します。ゴムパッチンですね。

 

この力により足の振り出しが最小限の力で可能となると推測します。(実験しているわけではないのであくまで推測)。

 

ですので、胸を張るように腕を振ることがポイントとなると考えます。

※この時も腕を振るのではなく、体幹(胸郭)から振るイメージを忘れないようにしてください!

 

 

腕を振るポイント
腕を振る時のポイント

 

 

頭の位置

 

最後に頭の位置です。

 

まず前後方向。

 

夏場やレース後半の疲れた時にありがちですが、背骨より頭が前に出ている人を見かけます。

これは体を丸める力が働き、逆に足への負担が増えてしまう可能性がありますので要注意です。

 

頭は、出来るだけ背骨の真上にうまく乗せてあげることが大事です。

 

頭は人体の中でもかなり重い方のパーツですので、どこに頭の重心があるかによって脚や体に与える影響は大きいことが予測されます。

 

背骨の真上にあれば、背骨との作用-反作用により頭を支える筋力を抑えられますし、他の部位の筋肉に与える影響を減らせると考えます。

 

横方向も大事なポイントです。

 

日常生活や仕事の影響なのか、少し頭が左右どちらかに傾いていたり、真ん中(胸のまん中の骨)から極端にずれている方を見かけます。

こうしたことも他の関節に負担を与えたり、動きを阻害することがありますので、たまには鏡で自分の頭の位置を確認してみてください。

 

※左右で言うと多くの人が真ん中にあるわけではありません。極端にずれているかどうかがチェックポイントです。傾いているのはあまり望ましくないかなと思います。

 

頭部位置のズレ
頭のチェックポイント

 

まとめ

今日はランニング中に意識する上半身のポイントをご紹介いたしました。

要点をまとめると、

 

・胸の骨(胸骨)を斜め前方へ持ち上げておく

 

・胸骨は着地の瞬間は股関節の延長線上に近いところ

 

・腕を振るのは体幹(胸郭)を意識して後ろ気味に振る

 

・頭がどちらかに傾いたり偏っていないか気にしておく。

 

 

といったところです。

 

前回の下半身編も考慮すると、足が地面に着いている時の理想の姿勢としては、頭から足が一直線に近い状態と私は考えます。

 

【初心者ランナー向け】ランニング中に意識すること〜下半身編〜

 

「走っている時って何考えてるの?」とランナーじゃない人に言われて「ぼーっとしてる」と適当に答えますが、結構考えることは多いのです。

 

まさに自分の体との対話です!

 

皆様が走るのに少しでも参考になれば幸いです(^^)