【レースレポート】比叡山インターナショナルトレイルラン2023
こんにちは、ヒロです。
夏が近づくにつれ暑くなってきましたね〜。
そんな暑くなる季節に、暑い熱いお祭りトレイルレース『比叡山インターナショナルトレイルラン』の50km部門に挑戦してきました。
今日はそのレースについてレポートして参りたいと思います。
ちなみに私は、タイムを競うというよりも完走目的のランナーで、舗装路・トレイル関係なく登りは全歩きで降りと平地は走るスタンスです。今回は制限時間11時間のレースでしたが、10時間24分での完走となりました。
同じように完走目的の方に対して参考になれば幸いです。
目次
比叡山インターナショナルトレイルランとは
ご存じの方がおそらくこのブログを読んでくださっているとは思いますが、念の為ご紹介をさせていただきます。
比叡山インターナショナルはかの有名なトレイルランナー鏑木毅さんがプロデュースした大会であり、延暦寺を出発して京都側と滋賀側の山を走る50km,累積標高3,700mのコースを制限時間11時間で走ります。
コースは根本中堂を起点に8の字を書くように周り、南側半分20kmと北側半分30kmで構成されます。
50kmのレースとはいえ、距離に対して累積標高が高く、制限時間もややタイトなためこれからトレイルランニングのレベルアップをしていくための登竜門のような大会と感ました。
完走にはフルマラソン4時間以内が必要とありますが、登山メインの人は登りが強いのでそこまで気にする必要はないかと思いますが、フルマラソン中心でトレイル初心者の方にとっては、案内通り4時間を切ってないと厳しいと感じます。
その他のカテゴリとして、23km部門と50mile部門があります。
50mile部門はかなり厳しく、出場するだけでもとんでもなく速い方たちですが、その方達をもってしても完走率が毎年低いカテゴリとなっています。(私は完走できる気が全くしないww)
2023年コースの高低図は以下をご参照ください(garminで計測された結果)。
アクセス手段と大会会場
会場は比叡山の一隅を照らす会館となります。ケーブルカーやバス、駐車場からの巡回バスでなければアクセスできません。
今回は駐車場の申請をしておりましたので、車で向かいました。
駐車場は会場付近に何ヶ所かあり、巡回バスに乗って会場に向かいます。近隣はドライブウェイということで歩行が禁止されているため絶対バスに乗らなければなりません(ドライブウェイ通行料に入っているようで無料でした。)
6:30に着いた時は渋滞することなくスムーズに入ることができました。ちなみに通行料は普通車で1日3,200円くらいだったと思います。
私個人としては車で行ったほうが、行きも帰りも電車やバスを気にして焦らなくてよいので良かったと思います。ホテルも近隣の安いとこ探しやすいですしね。
駐車場には限りがありますので、申込時に検討しておきましょう。
更衣室や参加賞の受け渡しは延暦寺会館内で行われます。
ここで荷物を預け、終了時には同じ建物内にあるお風呂に入浴することもできます(入浴料1,000円)。
今年の参加賞はロゴ入りのシエラカップでした。
延暦寺会館からスタート地点は歩いて5分もかからないくらいなので非常に楽チンです。
トイレ問題も、仮設トイレや会館内のトイレが利用でき、マラソン大会のようなトイレ渋滞はありませんでした。
レポート①スタート〜A1ロテルドヒエイ
スタートはウェーブ方式となっており、第1ウェーブは9:00、第2ウェーブは9:20となります。(多分フルマラソンのタイムで3:30くらいが目安?)
私は第1ウェーブからのスタートとなりました。
スタートからいきなり大渋滞しますので、タイム狙いの方は最前列の方へ並ぶことが必須です。
私は最後尾からスタートしましたけど、A1までの区間は渋滞や詰まる箇所が多々ありました。
まずはスタートして阿弥陀堂横の階段からトレイルに向かいます。
ここの階段で大渋滞。ほぼ進みません。階段を登り切って大比叡手前くらいから道が広くなるためそこまでは諦めるしかありません。
ただ、レースは長く渋滞箇所は1km程度なので、スタートからいきなり飛ばす必要もなく気長に渋滞を待っても大丈夫かなと思います。むしろここを急いで抜けようとして後半の走れる部分のスピードが落ちる方がタイムロスになると感じました。
大比叡を抜けると6km付近まで下り基調のトレイルが始まります。
このエリアは前半部分は階段やガレた石などで微妙に走りにくさがありますがテクニカルな箇所はなく、比較的気持ちよく走れちゃいます。アップの気持ちで飛ばしすぎずに進みましょう。
降り切るとロテルドヒエイに向けて4km弱で350m程度upですが、そんなに苦しい登りではありません。
この辺りは立ち止まるほどの渋滞はありませんが、詰まり気味なのでタイム狙いの人はイライラするかもしれませんが、完走目的の人はうまく流れに乗ってマイペースに進みましょう。
砂地で滑りそうな箇所はありますが気にする程ではありません。問題なく進めます。
ロテルドヒエイ直前に短いですが激下り箇所がありますので捻挫等に注意して進みましょう。
そこを抜けるとロードに出て、ガンバフンバくんの応援を受け、約10地点となるA1ロテルドヒエイに着きます。私は11:01(スタート2時間1分)に到着しました。
エイドにはバナナとパン、ポテトチップス、水分がありました。
「完走できるバナナあるよー!!」と威勢の良い方がいらっしゃいました(笑)
レポート②A1ロテルドヒエイ〜A2根本中堂
すぐに鏑木さんが立っておられましたので記念に。
A1からすぐに下り基調のトレイルに入ります。
トレイルと言っても林道のような箇所ですので、ここはしっかり走っておきましょう。
12km付近の無動寺を越えると少し足元の石がゴロゴロした感じになってきますが、普通に注意していれば問題ない下りです。
そんなこと言っておきながら、私自身は恥ずかしながら派手に転倒して膝を擦りむいてしまいました(苦笑)。
15km付近で一度ロードに出ます。少し進むと日吉東照宮のとんでもない傾斜の階段が見えてきます。
全部は登らないですが、手すりを持って余力を持って進みましょう。
階段からちょっと進むと、毎年恒例らしいセクシーエイドの案内看板が出現します。
今年はセクシーくの一の皆様が待ち構えておられました!
(どんなところかは出た人のお楽しみ笑)
くの一の足止めをかい潜り、元気をもらって比叡山高校野球部のグランド横を通過して、登りのトレイルが始まります。
ここが前半の山場となります。3kmほどで500m程登ります。
とんでもない傾斜があったり足場が悪いというわけではないのですが、ずーっとじわじわ登るためかなり脚にきます。
延暦寺まで脚を残して後半を迎えたいのに削られます。
同行していた友人は足攣っちゃいました。
私自身は攣ることはありませんでしたが、ピクピクと怪しい感じは少し生じてました。
途中登っていると、近くの人の会話で「この脚の疲れ方では後半もたないので次のエイドでリタイアしますわー」。
いやいや、私その人同じくらいのペースで登ってるし、結構しんどいけど、後半そんなにしんどいの?と不安感満載に(笑)。
淡々と登り続けると、ケーブルカーの運転する音が聞こえ始め、少し登ると延暦寺駅が見えてきます。
延暦寺駅付近ではソトアソさんが施設エイドを出しておられ、かぶり水をかけてもらえました。暑かったので助かった!!
平坦な舗装路を進むと延暦寺に敷地内に戻り、スタート地点を通過して更衣室などがあったA2延暦寺会館となります。
A2がおよそ20km地点であり、13:00ちょうどに到着しました(スタート後4時間)。
ここでは梅入りうどん、バナナ、オレンジ、お菓子類などが提供されている大きめのエイドになります。
うどんは2杯いただき、goproのバッテリ交換したりのんびりと10分くらいは休憩していたと思います。
レポート③A2根本中堂〜A3せりあい地蔵
腹ごしらえをしたところで出発。再度スタート地点を通過して今度は滋賀側の後半エリアへと突入します。
前半部分で別の方に言われた一言、「4時間15分くらいで20kmを出るくらいでは後半飛ばさないと間に合わない」
いやいや結構ギリギリやんか!とちょっと焦りながらのスタートです。
この時になんか自分の股関節周囲が攣りそうになっている…。こんな脚で大丈夫なんか?と思いながらゆっくりジョギングとウォーキングで脚の回復を待ちます。
補足なのですが、私、食べたものが効果出てくるの遅めで30分から1時間くらいしてから楽になる体質と認識しています。
ですので、トレイルやウルトラで逆にレース後半に回復することが多々あります。
今回もそれを信じてボチボチと。
観光エリアであるにない堂や釈迦堂を通過して、アスファルトの激下り階段もしくは横の歩道が続きます。
ここも降りにくくてイヤな箇所です。
途中から路面がトレイルに変わり、下り切ると後半コース最大の難関である横高山への登りが始まります。
2kmで500m程登るのですが、とにかくここがキツかった!!!
テクニカルな箇所はありません。ただただ黙々と登り続けるのみ。
多分普通に登れば取り立てて騒ぐようなことはないと思うのですが、なんせ20km以上アップダウンを繰り返した身体には非常にこたえます。
途中途中に看板に数字が書いていますが、合数ではないため気にせず進みましょう。
(そうは言っても気になる方へ。頂上の番号は18ですよ)
何度か脚が痙攣を始めて立ち止まってほぐしながら進みました。自分の登り力の無さと向き合う時間です(泣)
ちなみに道脇に両脚が完全に攣って座り込んでしまっている人もいました。
このエリアから気温が下がり始め、雨がポツポツ降り始めました。
しんどい区間だったので逆に助かりました。
「ここが終わればあとは大丈夫なはず…」
そんなことを思いながら出来るだけ小股で進みました。
登り始めてしばらくすると、声やカウベルの音が聞こえ始めてエイドが近いことを感じとても安堵したことをしっかりと覚えています。
応援の方が少しずつ増え始め、鏑木さんが出現し26km地点のA3せりあい地蔵エイドに到着です。
せりあい地蔵エイドには14:45に到着しました(スタート後5時間45分)。
このエイドは比較的簡略なエイドであり、食べ物はバナナとお菓子類が中心です(オレンジがあったかな?)。
このエイドあたりから「リタイアするのでどうやって帰ったらいいですか?」の声が聞こえ始めます。
ここでリタイアした場合は4kmくらい歩いて帰るとのことらしいです。
(一瞬心が揺らいだのは内緒ww)
レポート④A3せりあい地蔵〜A4仰木エイド
せりあい地蔵を出た瞬間から、ウソやろというような傾斜の登りです。
そう、まだ横高山は終わっていない…。
木の根の階段のようになった箇所を必死こいて上がります。
とは言っても長くはないので安心してください。
段差が最小限になるように足を置く場所に注意しながら進みました。
横高山頂上に着くと最大の難所は終わりです!!頂上は何も景色はありません!!!(笑)
そこからは下りと登りを繰り返しながら水井山を通過する京都一周トレイルを走ります。
さぁ降るぞー!というタイミングで、「あれ?脚が動かない…」
とりあえず木に座りハムストリングスをほぐします。
その後再出発すると、ついに両ふくらはぎが激攣りで悶絶(涙)
「ヤバい、こんなとこで動けなくなったら体温下がって余計危ない!」
必死のパッチで脚攣りを整えてゆっくりでも進みました。
(ふくらはぎ攣った時、ウ○コ座りするとストレッチになって整うという技をここで習得しました笑)
一回攣った後は意外とスッキリするもので、急にサクサク動くようになってきました。
時計を確認すると到着予想時刻が20:45。
明らかに制限時間オーバーやないか!!!
ということでちょっと急ぎ気味にペースアップ。
ペース上げてたら自然と脚も回復してきました。
一箇所だけロープを使わなければならないようなとんでもない激下りがあります。
ここが雨で色々な人が通過した後なので、泥んこウォータースライダー状態。
イキって少し前に出たら速攻スライディングをしてしまい、周りの人にご迷惑をおかけしてしまいました。本当にすみません。
※ここは手袋あった方がいいです。ここのロープで手の皮擦り剥きました。
ここ以外は走りやすい下りトレイルと林道中心です。
雨はどんどん強くなってくる一方でした。
ウォーターエイドを通過したり、何やかんやで37km地点のA4仰木エイドに17:11到着です(スタート後8時間11分)。
仰木エイドはこのレース初めてのお米であるおにぎりに加え、果物、羊羹など食べ物が非常に豊富でパラダイスでした。
さらにお味噌汁までいただけます。ちょっと冷えた体に最高にありがたかったです。
ずっといたかった…(笑)
レポート⑤A4仰木エイド〜A5横川エイド
仰木エイドで食事を堪能しながら、ここで合流した仲間と「ちょっと時間が危なくなってきているみたいですよ」と話していると、近くの人が、
「第1ウェーブの人は次の45km地点のエイドが19:00関門やしギリギリそこを通過するようだと最後ゴールに間に合いませんよ。だから今の時間ここにいたらちょっと…」
え、間に合わへんの?てか、関門あるの!?
時計を見たら17:20。下り含み8kmであと1時間以上はあるんでしょ?大丈夫やん!
とふたりではその場で話していました。
ただ、何かもう無理やでみたいに言われた気がして、2人とも急にスイッチが入ったように疾走モードへ。
仰木エイドを出ると林道・舗装路が続くため走れる区間です。
下りをしっかり走り切って、41kmの折り返し地点を通過し登り返しのアスファルトも出来るだけ走ります。
走れている理由を考えてみると、自分には米類が合うので、A4で食べることが出来てエネルギーが補充されてきた感覚だったので、復活したのかなと。ありがたや〜ありがたや。
42kmくらいからトレイルに入りますが、林道に近いような場所なので出来るだけ早歩きで進みます。
途中すんごい高い段差の木の階段エリアがありますので、ここは何とか踏ん張って進みます。
階段エリアを過ぎると45km地点のA5横川エイドとなります。横川エイドには18:25に到着しました。
無事関門通過です。
横川エイドにはガンバフンバくんがいて元気もらえました(^^)
このエイドも食べ物が豊富で、おにぎりに塩昆布ときゅうり、お味噌汁などがありました。
しっかりいただきました。
レポート⑥A5〜ゴール
横川エイドを出ると後は舗装路と林道で3kmほど下ります。
私はこの辺りから暗くなってきたのでヘッドライトを使用しました。
早くゴールできる人はほぼいらないんでしょうが、私のように10時間くらいかかるランナーは必須です。
もちろん街灯も何もない場所なのでライトがなければ何も見えません。
必携品にもなっていますが、点灯チェックも必ずしておきましょう。
3kmほど駆け抜けたら最後の登り2kmが始まります。
今回、誘導の方が立ってくださっていたのでわかりやすく誘導してもらえました。
ここからは、真っ暗の中登っていたので傾斜はよくわかりませんが、そこそこ登ります。
登りで終わるレースは初めてです。鏑木さんはホントにドS(笑)。
雨がキツくなり、多くの人が走り去った路面はグチャグチャのドロドロ。ズルズル滑ります。
まぁでもゴールを確信していたので焦りもしないし、楽しくなってました♪
前後に人が少ない時間帯がちょこちょこあり暗闇の中、自分の呼吸音、雨の音、カエルの音など瞑想するような空間になって、自分の中ではこのエリアが最もよかったと感じます。極上の時間を過ごすことができました。
ラスト1kmを過ぎると舗装路に変わり始め、延暦寺会館を通ってゴール地点へと向かいます。
雨にもかかわらず、応援の方々が多く残っておられ、知り合い関係なくエールを送っておられました。
こうやって応援の人、ボランティアの人、大会スタッフの方に見送られながらゴールを迎えることができるのは感慨深いです。
感謝しかありません。
最後は鏑木さんが雨の中、一人一人の選手を出迎えてくださいます。
ということで無事ゴール!
ゴールタイムは10時間25分でした。
完走目的でしたのでとりあえず御の字かな(^^)
完走のためのポイント
タイム狙いとかではなく、あくまで完走のためのポイントを考えてみます。
ポイントは大きく分けて2つと考えます。
完走のためのpoint!!
①前半は4時間くらいで通過する。
②後半走れる区間(横高山以降)は全部走る
まず①についてですが、前半20km根本中堂エイドまでを4時間くらいで到着し、通過することが望ましいと考えます。
私自身は4時間15分で通過しましたが、リザルトを見ると完走者の中ではかなり下位の方になりますし、完走者の方で4時間25分を超えている人はいませんでした(関門時間は5時間)。
私は自分のタイプは後半追い上げ型と思っているので結果的には余裕を持って完走していますが、トラブル等でどこか1ヶ所でも降り区間が走れなかったらタイムオーバーしてたと思います。
ですのでA2までの前半区間をある程度ゆとりを持って4時間くらいに納めることが完走へのポイントと考えます。
そして②ですが、横高山以降のトレイル下り・平地・傾斜の緩い登りは全部走るようにがんばりましょう。
A3付近の横高山以降は走りやすいトレイル・林道・舗装路のため、前半のタイムの借金返済区間でもあり、貯金を作りやすい区間です。
逆を言えばここで走れなければ、前半しっかり貯金を作ってないとかなりキツイと思います。
実際、コース後半下りでも歩いている人をちょこちょこ抜かしましたし、リザルトのDNFの人のタイムを見ると、自分よりA2通過タイムが速い人はたくさんいます。ケガや脱水、胃腸障害など脚の疲労だけではもちろんありませんが何かしらのトラブル等で後半走れなかった方々なのかなと想像します。
そういった点から考えても、後半走れるかどうかはかなり重要になってくると思います。
横高山までは、渋滞するため自分のペースで走りにくい箇所も多いです。また、前半頑張り過ぎると横高山で潰れる可能性があります。
決して飛ばし過ぎることなく、後半走れるだけの体力を残すようにしましょう。
そのための補給も大切だと思いますが、次回以降で気が向けば書こうと思います。
最後に
今回は、比叡山インターナショナルトレイルラン2023のレースレポートをさせていただきました。
厳しいコースではありますが、その分ゴールした時の達成感や満足度も非常に高いレースです。
参加してよかった。
「挑め、己の限界に」
これがこのレースのキャッチフレーズですが、ぜひ皆様も己の限界に挑んでください!!
いつかは50mileを…!
また、レースについて動画でもまとめておりますので参考になれば幸いです。