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【完全主観】こんな市民ランナーはケガをする〜Vol.3ケア〜

この記事では、ケガしやすいと思われる市民ランナーの特徴を、ケアの観点(私見)からご紹介しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

篠山ABCマラソンが中止となり、すっかりやる気を無くしてしまいました。

 

それでも、次回のマラソンシーズンに向けてまた地道に積み重ねていこうと思います。

 

さて、今回のテーマはケアについて。

 

ケガのリスクを下げるためには、ケアはとても重要な要素ですよね。

 

このケアに関する視点から、こんなランナーはケガをするということを考えてみたいと思います。

 

ちなみに自分自身が理学療法士であるため、ここは特に熱が入る点でございます!

 

ストレッチをしない

 

まずはこれ。ストレッチをしないことですね。

 

ただ、ストレッチをして「体を柔らかくしてケガを予防しましょうね」という意味で言っているわけではありません。

 

『自分の適切な体のハリ感(ベストコンディション)を見つけて、その状態に近づけるようにしましょう』という意味です。

 

この点についてご説明いたします。

 

ストレッチがランニング障害の予防になるかということについては、世界で色んな方が調査していますが、一定の見解が出ているわけではなく、むしろ、あまり関係なさそうと結論づけているものも多いです。

 

つまりストレッチしたからケガを予防できるとは言えないわけです。

 

自分自身の感覚でも、体が柔らかすぎると感じる時は、かえってバランスが取りにくかったり、スピードを出すのにしんどい感じがしたりします。

 

では何のためのストレッチ?

 

ここからは私見ですので鵜呑みにせずご参考までに。

 

ポイントとして、自分の中では走る前と後でストレッチをする目的が異なります

 

 

 

走る前のストレッチの目的

 

走る前のストレッチは、筋肉のハリや可動域といった自分の身体の変化を確認し、どの状態がケガのリスクを下げてパフォーマンスを発揮しやすいか考えるために実施しています。

 

筋肉が柔らかければ楽で速いというわけではなく、筋肉が硬い時でスピード感(バネ感)を感じる時もあります。

でも硬すぎるとケガの確率は上がると考えます。

(文献上は結論づけられてはいませんのであくまで個人的意見)

 

 

さて、おさらいですが、筋肉はゴムのように伸びて縮むことでパワーを発揮しています。また、パワーを節約するために腱のような硬めの組織が働いてくれます。

 

この筋肉の働き方をもとにハリ感についてイメージしましょう。

 

柔らかすぎるとは、ビロビロになったパンツのゴムを想像してみてください。

戻る力が弱いですよね。柔らかすぎるのはこういうイメージです。

 

こんな時は、走っていても妙にスピードが出なかったり、筋疲労が出やすかったりします。そして、スタート時よりも走り始めて時間が経った頃に調子がいい感じがしてきます。

 

逆に硬すぎると、筋肉が上手く伸びることができないためなのか、すぐ疲れるし、ひどい時は痛みが出たり、攣りかけたりします。これがひどくなるとケガにつながると考えます。

 

適度なハリ感とはこの真ん中くらいのことで、柔らかすぎず、硬すぎず。うまく筋肉のハリを使ってエコに走れる状態です。

 

これを見つけるには、走る前の状態を確認し、走ってみて結果を振り返り、また次回試していくという繰り返し作業を自分で続けなければ見つかりません。(私自身もベストはまだ見つかってないです)

 

この考える過程を踏むためにストレッチを実施しています。

 

このストレッチから得られる情報により、距離を走るのか、スピードを上げるのか、休むのかの判断しています。

 

ストレッチを全くせずに走る人は、自分の状態に関する情報がなく、ベストコンディションを考えにくくなります。

 

結果的に自分の体をうまくコントロールできず、ケガにつながるリスクが上がると考えます。

 

 

 

走った後のストレッチの目的

 

走った後は、どこに負荷がかかったのか確認作業のためにしています。

 

自分の走る癖や、コースにより負担のかかる筋肉の箇所は異なります。

負担のかかった場所は硬くなり、ストレッチをしても伸びにくい感じがします。

このような部位を入念にストレッチしていつもの状態に戻すことを意識しています。

 

放っておくと、関節の動きが小さくなるため、全体の動きの質が変わり、負担のかかる部位が集中してしまうため、ケガにつながると考えます。

 

合わせて、筋肉のない関節のつなぎ目に痛みが出ていないかチェックもしています。

関節の痛みであれば、組織修復のため思い切って休みます。

 

入浴しない(湯船につからない)

 

これも結構重要な要素と考えます。

 

さくっとシャワーを浴びて済ませる人もあると思いますが、きちんと湯船にゆったり浸かって疲労を抜くことが大切と考えます。

 

あくまでも個人的な体験ではありますが、マラソン後に温泉やスーパー銭湯に行くと翌日以降の疲労軽減が早い感覚があります。

 

入浴直後でも、それまで筋肉痛で動きにくかった部位が楽になったりも経験があります。

 

組織を修復するには血流が必ず必要になりますので、温めて血行をよくするのは大切と考えます。

 

 

 

入浴効果

 

入浴については科学的な検証もされています。入浴の効果について検討している伊藤らの論文をご紹介いたします。

HSP(ヒートショックプロテイン)70はストレス防御作用や免疫、タンパク質の合成や分解・修復など、筋肉の回復に重要な役割を有しているものです。40〜42度の温度帯で最も活発に働くため、日本人の入浴温度はまさにうってつけということが述べられています。このグループが入浴とシャワー浴の違いを検討した結果、40℃で15分入浴をした群の方が、入浴2日後のHSP70の増加、疲労感や筋肉痛(自覚症状)の軽減に効果があったことを報告しています1)

 

2日後ってのが不思議ですよね。

 

こういった報告からも入浴の疲労や筋肉痛の軽減効果が考えられます。

 

 

 

交代浴

 

普通の入浴に加えて、激しい負荷がかかった時に行うのが交代浴です。

 

冷たい水と、温かいお湯に交互に浸かる入浴方法です。

 

交代浴に関しては、自覚的な疲労感や疼痛に関する効果は多いものの、ランニングパフォーマンスや実際の血液データなどの生理学的な効果についてはまだ明確でない点が多いようです2)

 

Higgins, Trevor Rらのメタアナリシスという複数の論文を元にした調査では、パフォーマンス系は交代浴では変わりませんでしたが、48時間後の自覚的な疲労度合いは効果があったことを報告しています3)

(これ先ほどのHSP70の話と繋がる2日後に効果ある!とつながってる?)

 

最近の報告では、 エリートフットサル選手に対し、冷水(18℃)に1分、温水(37℃)に2分、計15分の交代浴を実施したところ、乳酸濃度の低下と心拍数の急速な回復を認めたというのもあります4)

 

なぜ効くかという点についてまだまだ解明されているわけではないようですが、冷たい水で血管の収縮を、暖かいお湯で弛緩を促して、より血流を促進させて老廃物の除去や代謝の促進を図り、組織修復を促すというものと考えます。

 

ちなみに自分のやり方としては、スーパー銭湯などでは、水風呂に1分、その後普通の湯船に1分くらいの入浴を5〜10セット繰り返します。

 

自宅での場合は、冷水シャワーと湯船を使用して実施します。

(妻に水のムダ使いと指摘されないように注意が必要です!!ww)

 

 

 

入浴剤も活用しましょう

 

最近は疲労回復のための入浴剤も多数出ています。

 

香りや炭酸に癒される効果もありますが、その中で着目したいのが硫酸マグネシウムという成分。

 

硫酸マグネシウムは皮膚からの吸収もされる物質で血管を広げて血流を改善する作用があると言われています。

疲労改善には血流を良くすることは大切ですので、大事なものですね。

 

私自身は疲労がきつい時に、↓を使います。

 

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ちなみに、本格的なものでいうと、エプソムソルトというものもあるようです。

今後試してみたいと思っております。



 

睡眠時間を削って練習する

 

睡眠もめちゃくちゃ重要なポイントです。

 

多くの市民ランナーは、日中は仕事をしていると思います。

仕事が終わって走る、もしくは次の日の早朝に走る、どちらでも構いませんが、睡眠時間だけは絶対に確保することをオススメします。

 

『スタンフォード式疲れない体』の睡眠の項目が非常に分かりやすくまとめられています。

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詳細は購入した方の特権ですのでここには記載しませんが、7時間〜8時間は寝た方が良いようです。

 

睡眠時間を削ると、筋肉の回復だけでなく、パフォーマンスの低下も指摘されていますのでとても重要な要素となります。

 

自分の過去を振り返ってみても、睡眠不足の時って、二日酔いのような変なテンションになったり、集中力が途切れやすかったりと、あまりよくなかったように思います。

 

回復の遅れがジワジワ蓄積し、集中力が低下した時こそ怪我に繋がる可能性が高まると考えます。

 

ロングトレイルに挑戦するなどの特殊な状況を除いては、しっかりと眠るように心がけましょう。

 

 

寝具も結構大事

 

寝具は本当に大事だとよく実感します。

 

例えば、旅先で柔らかすぎる敷布団に当たった時。

 

眠りにつくときは気持ちいいんですが、なんとなく寝心地が悪いのか、途中目が覚めやすかったり、起きて体がだるかったり。逆に硬すぎたら体がバキバキに痛くなったり。

 

今はエアウィーブの床に置くタイプのマットレスがちょうどいい硬さの感じです。

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あと枕は特に重要性を感じます。

昔低反発のジェル製の高価な枕を使用してみたら、寝違え頻発で次の日首が回らないことがしょっちゅうありました。その後は安価なソバ殻の枕に変えてバッチリあっています。

(体が貧乏性なのか…ww)

 

ポイントとしては高すぎず、低すぎず。自分の体型に合うものです。

(ここが難しい!)

 

疲労を抜くために寝るので、ここはしっかりと気を使いたいところです。

 

ちなみに寝具が自分にあっているかどうかは、起きたときの体のスッキリ具合を参考にすると良いと思います。

起きて体のどこかが変に痛かったりすると合っていない可能性があります。

マットレスや枕の材質を色々試してみてください。

 

 

まとめ

 

今日は自分の関わることが多い分野なだけあって、熱がこもって長くなってしまいました。

 

本記事のポイントをまとめると

 

 

POINT!!・ストレッチは運動前後によって目的を変える

 

・自分の適切なコンディションを再現するためにストレッチをする

 

・しっかり湯船につかる

 

・睡眠時間をしっかり確保する

 

・寝具が自分の体にあっているか考える。

 

 

以上となります。

 

前回の食事や練習量も含め、ケガのリスクを下げ、コツコツと練習を積み重ねていきたいですね!

 

【完全主観】こんな市民ランナーはケガをする〜Vol.2食事〜

【完全主観】こんな市民ランナーはケガをする!〜vol.1練習量〜

 

出典

1)伊藤要子, et al. “全身入浴またはシャワー浴の入浴習慣がその後の HSP 入浴法に及ぼす影響.” 日本健康開発雑誌 (2020): 202142G03.

2)Greenhalgh, Olivia, et al. “The use of contrast therapy in soft tissue injury management and post-exercise recovery: a scoping review.” Physical Therapy Reviews 26.1 (2021): 64-72.

3)Higgins, Trevor R., David A. Greene, and Michael K. Baker. “Effects of cold water immersion and contrast water therapy for recovery from team sport: a systematic review and meta-analysis.” The Journal of Strength & Conditioning Research 31.5 (2017): 1443-1460.

4)Pelana, Ramdan, et al. “Effect of contrast water therapy on blood lactate concentration after high-intensity interval training in elite futsal players.” Physiotherapy Quarterly 27.3 (2019): 12.