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ランニング

ランナーのふくらはぎを考える〜坂道編〜

本記事では坂道でのふくらはぎの役割と負担について私見を述べています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

暑くなってきましたね〜。

 

走ってても汗が止まらん季節になってきました。

でも、走り終わると不思議と爽快感があるのが私がランニングにハマっちゃうところです。汗くさいけどww

 

さて今日はランナーのふくらはぎを考える「坂道編」でございます。

 

走る上で平地ばかりなんてことはなく、特にトレイルランなんて坂道をどう上手く走るかがキーポイントになりますよね。

 

坂道を制するものがレースを制す!という感じです。

 

私自身、トレイルのレースで脚がつったりして苦しんだ経験はかなりあります。

 

鯖街道の時なんて72kmのレースなのに22km地点で攣って後をどうしたら良いのか途方に暮れたこともありました(無事完走しました)。

 

今日は脚の中で、「ふくらはぎの負担」に焦点を絞って考えていこうと思います。

 

大きなポイントとしては

 

・膝より上の関節は上に持ち上げるイメージ

 

・骨の作用-反作用をうまく利用する

 

の2点となります。

 

なお、平地に関することや作用-反作用については過去のブログで整理していますので、ご参照ください。

 

ランナーのふくらはぎを考える〜力学・運動学〜

 

登り坂の時にかかる負担

 

まず嫌いな方も多いのではないかと思われる登り坂のことから整理していきましょう。

 

ここでは、大きく二つの点に着目して考えを述べさせていただきます。

 

まず、平地と異なる点としては、地面が傾斜していることです。

 

当たり前のことを言いました(笑)

 

この傾斜が曲者でして、まず足部の観点から考えると、平地に比べ踵(かかと)が地面から浮いた形での着地になりやすいです。そのため、踵には接地している部分を支点にして、重力により落下しようとする力が働くと考えられます(一瞬ですよ)。

この力により、ふくらはぎの筋肉が引き伸ばされます。さらに、スネの骨(脛骨)が前方に傾斜する慣性力が働くことで、平地の着地に比べてより強い伸長力がふくらはぎの筋肉に加わることが考えられます。

この伸ばされる力に対して、ふくらはぎの筋肉はブレーキをかける役割を無意識化で行うため、平地に比べて大きな負担がかかると考えます。

 

また、トレイルランの時に特に著明となりますが、平地に比べて、着地の際に膝が曲がりやすい状況となりえます。

 

この際、脛骨が前に倒れている状態であれば、膝から上の重みがかかってくるため、脛骨を前に回転させる力が強くなり、余計にふくらはぎの筋肉が伸長されてしまうことが考えられます。

伸長される時は、セットで無意識化でブレーキをかけるためのふくらはぎの筋肉による筋力が発揮されるため、大きな負担となります。

 

下の図に上記2点について模式図で表しています。

平地と坂道登りの違い
平地と登りの違い

 

ちなみにトレイルでは地面の滑りやすさなどの問題もふくらはぎへの負担に影響してくることが考えられます。

滑ると、急な前方への強い加速となりますので、それを制御するためのふくらはぎの強いブレーキが求められます。

 

登りの際に注意する点

 

では登りの際に注意する点について、私の観点で整理します。

 

まず着地の観点からですが、着地の際に脛骨への重みが少しでも減るように、膝から上の関節である股関節や体幹を上に持ち上げるような力をイメージして、「どしん」と膝から下に重みをかけないように意識することです。

 

腕を上方向に意識して気持ち強く振ることも上に持ち上げるイメージにつながります。

 

あくまでもイメージですが。そうすることで着地が柔らかい感じになる感覚です。

登りの時は股関節から上を持ち上げる
登りの時のポイント

あとは、マラソンなどのロードで走る場合においては、出来るだけ地面に接地する時、骨同士の作用-反作用の力をうまく利用して筋肉の負担を減らすため、着地の時に膝が曲がらないように、足から体がある程度直線上になるよう意識しておくことです。

なので必然的に、ストライドを狭めてピッチを上げることが大切と考えます(足を早く回す感じ)。

登りの着地は体の真下で
登りの着地のポイント

トレイルの場合は、傾斜が強いため足から体を直線上に配置することが難しい局面もあります。

その際は手で膝から少し上の部分を押して膝が曲がらないように補助するだけでも少し負担が減らせると考えます。

この時膝から上を上に持ち上げるイメージは忘れないように!!

登りの時は手で太腿を押すと楽
トレイルの登りは手を使うのも大切

そして、足を振り上げる時のポイントですが、平地と同じで、つま先で蹴ることで体を持ち上げようとするとかなりの負担となりますので、足を持ち上げるのは、股関節や骨盤・体幹など、膝から上の関節を先行して持ち上げるイメージを持つことがポイントと考えます。

登りで足を出す時は股関節から動かす
登りの時の足を出すポイント

下り坂の時にかかる負担

 

それでは次は下り坂の際のふくらはぎにかかる負担について、考えを整理していきたいと思います。

 

平地と異なる大きな点は、前方へ進むスピードが出やすいことです。

 

これにより着地の際に脛骨にかかる慣性力が平地に比べて大きいため、ブレーキ役であるふくらはぎの筋肉への負担が大きくなることが予想されます。

 

平地と坂道の下りの違い
平地と下りの違い

また、登り同様、膝から上の重みがかかり、脛骨を前に倒そうとする力が働くため、さらにブレーキ力が求められます。

トレイルの下りで、少しジャンプするような場所では特にこのような傾向になりやすいと感じます。

 

坂道下りの時の力
下りの時の着地

下り坂の際に注意する点

 

大事なポイントは、登り坂の時のポイントで挙げたことと同じで、骨の作用-反作用の力をうまく利用するために足から上半身までが出来るだけ直線上になるよう着地することと考えます。ですので、ストライドとしては少し狭めにすることとなります。

下り坂の時の着地は体の真下でする
下りの時の着地のポイント

また、地面に脚が接地している時間の間中、ふくらはぎはブレーキの力をかけ続けることになるので、出来るだけ地面に接地する時間を短くして「ポンポン」とリズム良く進むことがポイントではないかと考えます。

これはふくらはぎのことではありませんが、着地の衝撃が平地に比べかなり強くなります。

そうなると、足裏の筋肉へのダメージや、脚全体の毛細血管へのダメージが強くなってしまうため、出来るだけ優しい着地が望ましいと思います。

目安としては、自分の着地の際の足音に注意して「バンバン」言うような着地になっていないかという点を気にしておきましょう。

 

まとめ

 

今日はランナーのふくらはぎを考える〜坂道編〜として、力学・運動学的な観点から考えを整理いたしました。

坂道を走る上でのポイントとしては

 

Point!!【登り坂】

 

・着地の時も足を振り上げる時も膝より上の股関節や体幹を持ち上げるイメージ

 

・着地は足から体が一直線に近い状態でする

 

【下り坂】

 

・着地は足から体が一直線に近い状態で

 

・なるべく地面に着く時間を短くする

 

・着地は優しくする

 

といったところです。自分自身意識が甘い時はついつい負担をかけてしまっています。

 

今日は説明していませんが、トレイルのような地面が平らではない場所では、ふくらはぎ付近にある足首の左右のブレを制御する筋肉への負担もかなりのものとなります。これはまた後日いつか説明できればと思います。

 

今はレースがほとんどない時期なので、坂道を走る時のイメージについて少し変化させてレベルアップを図るには最適だと思います。本格的にレースが再開されるまでに基礎を作り、本番で爆発させたいですね(^^)

 

※自分の体験と力学的な要素からのあくまでも筆者の考えですので、参考になれば幸いです。