肩こり,肩の痛み
ヨガ

【効果検証、体験談有り】ヨガと肩こりについて

本記事ではヨガの肩こりに対する効果について言及しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

オリンピックが近づいてきましたが、何となく不穏な空気でどうなるか分からない状況が続いてますね〜。

スポーツ自体は大好きなので観たいと思いますが、色々な立場から考えて決断してほしいですね。

 

さて、そんなコロナ禍でテレビを見たり、パソコンによるリモート会議や在宅ワーク、スマホをいじる時間が増えたという人も多いのではないでしょうか?

 

そんな方々のリスクである肩こり

 

放っておくと色んなトラブルが起こり得ますので、しっかりケアしておくことが必要です。

そんなケアの方法の中で、ヨガもアリかもよってテーマで解説いたします。

 

結論としては

 

肩こり解消に効果ありそうです!

 

それではこのことを解説していきます。

 

肩こりについて

 

まずは大元のことを考えておきましょう。

肩こりの原因として考えられるものは、筋肉の問題から心臓関連の内科的な問題、歯や心の影響など多岐に渡ります。

 

ここで説明する肩こりは、肩〜首にかけてつながる筋肉の部分が固くなってこったような感じになる症状として説明いたします。

 

下の写真で表すように、僧帽筋や菱形筋、斜角筋などの肩と頭や首を繋ぐ筋肉がこわばることで肩こりが生じることが考えられます(ここには記載されていませんが、肩甲挙筋といったものもあります)。

斜角筋と胸鎖乳突筋
斜角筋と胸鎖乳突筋の位置
僧帽筋と菱形筋
僧帽筋と菱形筋の位置

 

この肩こり、平成22年の厚労省の調査資料によりますと、体の不調の原因で、男性2位、女性はなんと1位となっています。それだけ多くの方が肩こりについて自覚されているようです。

 

肩や首の筋肉の役割

 

肩こり話前にはまず相手のことを知らなければ。
ということでまずは肩・首まわりの筋肉の役割を整理しておきましょう。

 

肩や首の筋肉の多くが、鎖骨や肩甲骨などの肩周りと、首や頭の骨を繋いでいます。

 

その役割は、頭や首を動かすことはもちろんですが、ここでポイントとなるのは頭や腕の重みを支える役割であることと考えます。

 

肩〜腕は脚と異なり、体幹部と骨同士が連結していない部位であり、筋肉や靭帯などの軟部組織がなければその場を保持することはできません。(厳密に言うと、鎖骨と胸骨で連結はありますが)。

 

そのため重力下においては、常に腕の重みがかかるため、肩や首の筋肉は、肩や腕をその場に保持するために働きます。物を持ったりしたらなおさらですね。

 

一度確認してみてください。何も持っていない状態での肩のハリ感を反対の手で確認し、少し重い物を持った時に、そのハリ感が強くなると思います。

 

もう一つが頭。

 

人体の中で頭部はかなり重いパーツであるため、それを支える首には大きな負担がかかりやすくなります。特に首に対して頭が前に出ているような姿勢の時に、それ以上頭が前に出ないように支えてくれています。

 

このような作用があるため、肩周りの筋肉は緊張し、こりやすいと考えます。

 

肩こりの原因

 

ではなぜ筋肉が硬くなるのでしょうか?色々な理由はあるのですが、その中でいくつか挙げてみましょう。

 

一つは単純に力が入りっぱなしの状態。

 

肩の力抜いて〜といった言葉に表されるように、一つの作業に没頭しすぎて同じ姿勢が長時間続いたり、緊張する場面など知らず知らずのうちに力が入りっぱなしになっていることありますよね。このような状態が続くと肩こりにつながります。手仕事関係の人や、仕事上緊張する場面が多い人は要注意です。仕事以外でも、家庭内で妻に怒られてなんてことも影響が…ww

 

他には、物を持ち上げたり、背負ったりすることが多い人。先ほども説明しましたが肩こりの筋肉は腕が同じ場所に保持できるように働きますので、重たい物など腕に負荷がかかる時はさらに働きが強くなります。主婦の方は洗濯物や買い物袋など意外と日常で物を持ちますよね。あと外出中は、リュックやハンドバッグなど持つ方もそうです。

 

そして、この時代何よりも強いのが、パソコンやスマホなどの影響

 

最近はパソコンやスマホなどを長時間使用する方が増えているのではないでしょうか?そのような時間も肩の力が入りやすい状況です。例えばスマホにおいてゲームをする時間が経過するにつれ、首が前に傾き、首の横付近の筋肉の活動が高まると報告されていますし1)、パソコンで文字を打つなどの作業においてはストレス環境下において特に僧帽筋上部の活動が増加すると報告されています2)。

 

↓こんな人街中でもよく見ませんか?

タブレットやスマホをいじっている人
悪い姿勢の例

 

この姿勢がまさに肩こりの大きな要因であると考えられます。

 

ちなみに肩こりを放っておくと、肩の筋肉の炎症や神経障害などにつながるリスクもありますので侮れない症状です。

 

この肩こりに対してヨガが効果あるかもと言われています。

ヨガの肩こり(首こり)に対する効果

 

それでは今日の本題に参りましょう。色々なところで「ヨガで肩こりをすっきりさせましょ〜」なんて聞きますが本当に効果はあるのでしょうか?

※肩こりを英語にするとstiff neckなどの首と同義のようですので、肩・もしくは首の表現の文献を引用しています。

 

LI, Yunxiaらの10件の論文によるメタアナリシスによると、抽出した論文の質等の問題はあるものの、痛みに対してヨガに効果があったことを報告しています。3)

 

CRAMER, Holgerらは6ヶ月以上の筋肉に由来した慢性的な首痛を持つ人たちに対して、毎週90分のヨガを9週間実施したところ、痛みや行動に対する認識に対してポジティブな変化(動くことが怖くなくなったなど)が生じたことを報告しています。また、この報告で面白い点は、自分の肩や首がどのようになっているか参加者に書いてもらったところ、ヨガ前は体の認識がずれて妙な絵を描いていた人が、ヨガ後は綺麗な体の絵に変化していたという体の認識の変化を捉えていたところも非常に興味深い点であります4)。

 

またまたCRAMER, Holgerらの報告で、少なくとも3ヶ月以上の慢性的な首痛を持つ36人を対象に9週間のアイアンガーヨガを実施した後12ヶ月後に状態を調査した報告によると、痛みの軽減や痛みが影響する日常生活動作において改善を認め、これらに影響する因子としてはヨガの練習時間が長いことと報告しています5)。

 

自分たちの実体験でも、「やった後に何となく肩まわりや首がスッキリした」と言う自身の体験と参加していただいた方の感想を聞くことがあります。

 

絶対に効果あります!と言えるわけではありませんが何らかの変化はあるのかもしれません。

 

なぜヨガで肩こりに効果がある?

 

それでは、なぜヨガが肩こりに効果的なのでしょうか?私見について述べていこうと思います。

 

まずは、当たり前ですが肩周りの動きが多いこと

 

肩の筋肉が強張るために生じる肩こりであれば、適度に肩の筋肉の力を入れたり抜いたり刺激することが大切ですよね。人間の筋肉の構造上、最大に力を入れたあとは必ず力が抜けるという働きがあります。例えばプランクポーズからチャトランガダンダアーサナ(要は腕立て伏せ)の時などはその効果が期待できます。

 

そして、ストレッチ要素

 

アーサナの前の準備体操的な時に、頭を横に倒して首筋を伸ばしたりすることで、直接こった筋肉を伸ばすこともあります。

 

ただ、ここでポイントとしておきたいのは、肩こりに影響すると考えられるのは、こっている場所だけではない!ということです。

 

肩関節は、鎖骨・肩甲骨・胸郭(肋骨)・背骨(頸椎や胸椎)といった複数のパーツにより構成されています。つまりその各パーツの周りにある筋肉がそれぞれ影響を与え合うため、「実はこっているところ以外の場所に肩こりの原因がある」なんて場合も多くあると感じています。

 

ヨガはこういったそれぞれのパーツの動きが満遍なく含まれているため、バランスよく色々なところのストレッチ効果が望めると言え、結果として肩や首回りの筋肉が楽になるのではないかと考えます

 

あとは呼吸をゆったりするため、自律神経と呼ばれる興奮とリラックスの神経を刺激することも少なからず影響すると思われます。興奮を司る交感神経というものは緊張を高める要素であるため、深くゆったりとした呼吸によりリラックスを司る副交感神経が優位となり、力が抜けるのかもしれません。

 

注意点もあります。

 

肩は前述したように複数のパーツからなる関節です。ヨガは手を色々な方向に動かしたり、手で体を支える動きも多くあります。ですので、どこかに痛みや違和感を感じる状態はケガの元になりかねません。自分の体の声に耳を澄ませ、無理のないように体に負荷をかけることがとても大事になります。

 

実体験について

 

それでは実体験について少しご紹介いたします。

 

仕事柄、パソコンの使用、腕を使う、下を向いて仕事するなど肩の負担がかかりやすいため、以前は肩こりを感じることがちょこちょこありました。

 

そんな時に太陽礼拝などのアーサナをすると、終わったあと肩周りがスッキリする感じがありました。

アーサナの最中も、肩こりの場所以外にも、脇腹〜脇の下にかけてなど、肩甲骨の周りの筋肉のはり感やつっぱり感を感じます。

「あ〜この辺も凝ってたんだなぁ」と気づきながらそこに意識を向けて筋肉を伸ばすなど意識の変容があったなと思います。

 

ヨガクラス中のこういった気づきがあることで、普段の生活や仕事の合間にも、そこの部分のストレッチをするクセがつき、肩こりが生じても「あっここ固くなってないかな〜?」などと自分でセルフケアするようになり、その積み重ねにより、「肩こりなら何とかなる」という安心感が生まれるのも良い効果なのかもしれません。(私の主観的な体験ですが)

 

ヨガの後はもちろん、普段の生活でもそんなことが意識に上るようになり、肩こりの頻度は減ってきていますので、個人的には効果ありと感じています。

まとめ

 

今日はヨガと肩こりについての情報をご紹介いたしました。

 

結論としては、

 

ヨガをすることで肩こりに効果はありそう!です。

 

まだしばらくリモートワークは続くでしょうし、スマホはこれからも使用頻度はどんどん増えるでしょう。

そんな時代だからこそ、自分の体のケアにも注意を向けて、慢性的な肩こり状態にならないようヨガも試してみてくださいね(^^)

 

ちなみに↓はカヌーの人向けに作ったヨガではないものですが、上半身の部分は肩こりに結構いいかもしれませんよ(^^)

 

 

出典

1)PARK, Joo-Hee, et al. The effects of smart phone gaming duration on muscle activation and spinal posture: Pilot study. Physiotherapy theory and practice, 2017, 33.8: 661-669.

2)TAIB, Mohd Firdaus Mohd; BAHN, Sangwoo; YUN, Myung Hwan. The effect of psychosocial stress on muscle activity during computer work: Comparative study between desktop computer and mobile computing products. Work, 2016, 54.3: 543-555.

3)LI, Yunxia, et al. Effects of yoga on patients with chronic nonspecific neck pain: A PRISMA systematic review and meta-analysis. Medicine, 2019, 98.8.

4)CRAMER, Holger, et al. “I’m more in balance”: a qualitative study of yoga for patients with chronic neck pain. The Journal of Alternative and Complementary Medicine, 2013, 19.6: 536-542.

5)CRAMER, Holger, et al. Yoga for chronic neck pain: a 12-month follow-up. Pain Medicine, 2013, 14.4: 541-548.