【効果あり?】不妊治療に対するヨガの効果
この記事では、不妊治療に対するヨガの効果についてご紹介しております。
こんにちは、ヒロです。
今日はちょっとシビアなテーマに対するヨガの効果についてご紹介いたします。
不妊治療に対するヨガの効果。
世界で不妊治療をしなけらばならなくなったカップルが増えているのは、色々なサイトでも紹介されている周知の事実です。
ニュースでも話題が上がることが多いですが、体外受精で生まれる子供の数は年々増加してきており、今ではそこまで珍しく無くなってきている印象があります。
実は我が家もそうでありまして、特に2人ともに大きな問題はないのですが、中々子宝に恵まれず、絶賛通院中でございます。(妻からも今日のブログについては了承を得ています)
そんな中、時々見かけるのが「妊活にヨガ」という紹介。
これ、実際には効果がどうなんでしょう?
結論としては、
主に心理的な面に効果があるかもしれない
ということです。
この点について、今日は情報をご紹介させていただきます。
目次
日本における不妊治療の現状
最近の不妊治療の状況はどうなっているのでしょうか?
厚生労働省の資料によると、2017年時点で、生まれた子供の約17人に1人が生殖補助医療による出生となっています。(最近のニュースでは14人に1人という情報もありましたね。)
また不妊治療や検査を受けたカップルは5.5組に1組となっています。
それだけ珍しく無くなってきているという状況です。
知り合いの中でも、治療や検査を受けていたという話を聞くのも珍しくありません。
そのような中で、最近の大きな出来事としては、不妊治療の助成金が拡充したことですね。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html)
これは我が家にも大きな恩恵を受けております。
今後も医療保険適応になる流れがあるなど、日本では手厚い支援が受けられるようになりつつあります。
かなり費用のかかるものなので、このような支援は大変ありがたいものです。
心理面の効果
一番多く言及されていたのは、不安やストレスなどの心理面への効果でした。
早速論文をご紹介させていただきます。
1)VALORIANIらは体外受精を始めた女性を対象に、90分のハタヨガクラスを週2回、3ヶ月継続して実施したところ、ヨガをした群(45人)の方が、何もしていなかった群(75人)に比べて不安感、抑うつ度合い、精神的な苦痛が和らいだとの報告をしています1)。
JASANI, Sらは不妊治療中の女性55人を対象に週に1回90分、6週間のヨガを実施したところ、不安感のスコアが減少したことを報告しています2)。
ただし、これら2つの報告でも触れられていますが、自分が選択したことをしているため、ヨガが良かったかどうかについては定かではありません(ある意味効果あるかもと言われている何をしても効果があったかもしれない…)。
私の考えではありますが、不妊症に限らず、ヨガが不安や抑うつを軽減する効果は多く報告されていますので、この不安感の軽減という点については少なからず効果はあるのではないかと思われます。
私たち夫婦もそうですが、不妊治療期間というのは非常にストレスがかかりやすい状況です。
また、「なんで出来ないのだろう、このまま出来ないのではないか」という不安感も高まりやすくなります。
心理的なストレス状況が妊娠の成功に影響するかについては、調べた感じでは賛否両論であり、必ずしも影響するとも言えないと考えます。
しかし、失敗した場合にはさらなるストレスがかかってくるわけですから、ストレスや不安のマネジメントをすることは大変重要なことであります。
その他のヨガの効果
心理面以外の効果についてご紹介いたします。
PATELらの報告によると、不妊の一因である多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方々を対象に、1回1時間、週3回のマインドフル・ヨガ(ヨガとマインドフルネス瞑想を足したような介入)を3ヶ月間実施したところ、PCOSの基準の一つである遊離テストステロンの低下を認めたことを報告しています。また、この論文の対象者は平均BMI35とかなり肥満な方々が対象で、BMIやウエストなどの数値は変わりませんでしたが、インスリンの働きを正常に戻すアディポネクチンというものの数値は改善したことを報告しています3)。
血液データ上での変化の可能性を指摘されているのは驚きの結果ですね。
※対象者が少ない報告なのでまだまだ調査必要そうですが…
また、気になる人も多いと思われる、ヨガによる妊娠率や着床率に関する論文は、私のリサーチ能力では見つけることができませんでした。ただし、体外受精や顕微鏡受精前における運動効果としては、着床率や流産率には明確な効果は明らかではないものの、臨床的妊娠率(拍動確認)や、出生率には効果があるかもしれないという報告がありました。この論文内では1週間あたり2.5時間というところが一つの目安として表現されていました4)。
このことから、ヨガによる定期的な運動効果がないとは言い切れないと思いますし、運動によるメリットを得る可能性が上がるのではという程度に留める方が良いのかなと考えます。
まとめ
今日はヨガが不妊治療に効果があるかということに関する情報をご紹介させていただきました。
ポイントとしては
・ヨガの効果は心理的な不安感やストレスに影響しそう
・PCOSの遊離テストステロンに効くかも
・運動という広い括りでは、成功率に影響するかもしれない。
中々断定することは難しいですが、ポイントとしてはこのような点が挙がります。
我が家も早く子宝に恵まれたいなと思いつつ、妊活をしております。
ここまで待たされているからこそ、出来た時の喜びも大きくなると思いますので、いつか出会えるその日を楽しみにしておきたいと思います!
出典
1)VALORIANI, Vania, et al. Hatha-yoga as a psychological adjuvant for women undergoing IVF: a pilot study. European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology, 2014, 176: 158-162.
2)JASANI, S., et al. Impact of a structured yoga program on anxiety in infertility patients: A feasibility study. JFIV Reprod Med Genet, 2016, 4.183: 2014-26.
3)PATEL, Vishesha, et al. Regular mindful yoga practice as a method to improve androgen levels in women with polycystic ovary syndrome: a randomized, controlled trial. Journal of Osteopathic Medicine, 2020, 120.5: 323-335.
4)RAO, Meng; ZENG, Zhengyan; TANG, Li. Maternal physical activity before IVF/ICSI cycles improves clinical pregnancy rate and live birth rate: a systematic review and meta-analysis. Reproductive Biology and Endocrinology, 2018, 16.1: 1-8.