うつ,抑うつ
ヨガ

【効果検証】ヨガはうつに効く?

本記事はヨガがうつに対して効果があるかという点について言及しています。

 

こんにちはヒロです。

 

GWも終わり、梅雨に入りましたね。良い季節はあっという間に過ぎ去っていくので、ちぇーって思います。

さて、そんなうっとうしい季節に、そして5月病とも言われるこんな時期のテーマ。

 

今日は「うつ」にヨガが与える影響について

 

このうつに対してもヨガが効果あるかもよってお話をご紹介させていただきます。

 

結論としては、抑うつ症状に効果あるかも!です。

 

では、そのことについて説明をしていきます。

 

うつ病とは?

まずうつ病について整理しておきましょう。

こちらの厚生労働省ページに概略が記載されています。

その中から大事な部分を一部引用しますと、

 

エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態。
典型的な症状としては、良いことがあっても一切気分が晴れない、明らかな食欲不振や体重減少、気分の落ち込みは決まって朝がいちばん悪い、早朝(通常の2時間以上前)に目が覚める、過度な罪悪感、などがあります。

うつ病の要因としては、大切な人(家族や親しい人)の死、大切なものを失う(仕事や財産、健康なども含む)、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、職場や家庭での役割の変化(昇格、降格、結婚、妊娠など)、性格傾向(義務感が強く、仕事熱心、完璧主義、几帳面、凝り性、常に他人への配慮を重視し関係を保とうとする性格)、遺伝的要因、慢性的な身体疾患とされています。

出典:厚生労働省 こころの耳

https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad001/

 

というような病気です。このうつ病を患う方は、厚生労働省の調査では年々増加傾向にあり、H29年で127.6万人となっているようです1)。コロナ禍となったことで今はもっと増えている可能性も十分に考えられます。

 

治療については休むこと、薬、カウンセリングが中心となります。

 

抑うつ気分≠うつ病

 

ここで注意しておきたいのが、抑うつ気分(抑うつ)とうつ病は違うよってことです。

こちらのページが分かりやすくまとめられてありました。

 

うつ病との違いを簡単にまとめると、

 

抑うつの特徴

 

・一時的にでも気分が晴れることがある

 

・はっきりとした誘引がある

 

・長続きするわけではない

 

といったところです。

これは多かれ少なかれ、皆様経験されるのではないでしょうか?全く気分が沈み込まないなんて人は世の中存在しないと思われます。

 

例えば、嫌なことがあって数日気分が落ち込んでいたとしても、飲み会や何らかのストレス発散により気分が晴れて、翌日は割と楽に過ごせるといった感じです。

 

そして、抑うつは、うつ病以外での精神疾患においても生じる「症状」でもありますので、いろんなサイトでうつについて説明がされている時、それは「うつ病」なのか「抑うつ」のことを言っているのか注意しておかなければなりません。

 

「うつ病」でしたら専門機関での治療が第一に優先です!

ヨガと「うつ」に関する報告

 

さてここから、今日の本題であるヨガとうつの関係について、いくつかの報告をご紹介させていただきます。

 

色々な報告があるのですが、「うつ状態」を計測する上で様々な評価方法があり、不安感や、恐怖心、生活の質(QOL)なども含めた色々な観点から評価されています。そして、ヨガのバリエーションも色々あるため、効果があるといった報告から効果が少ない・または無かった、研究の信頼性が低いという報告まで様々です。そんな中からいくつかご紹介いたします。

 

Brinsley, Jacintaらのメタアナリシスという複数の論文を元にデータを集計した報告によると、うつ病によるうつ症状に対して、ヨガがまぁまぁ効果があったと報告しており、より多くのセッション(実施回数)に参加した方が効果があったことを報告しています2)。

 

Lundt, Annaらは、ドイツのがん患者を対象に週1回を8週間実施し、その後は個人の継続に任せて6ヶ月後に結果を調査したところ、抑うつは改善傾向は示すものの効果は小さく、不安感の軽減については効果があったことを報告しています3)。

 

Gong, Hong, らは、うつ病(一部非うつ病の人も混じっているよう)を持つ妊婦を対象とした6つの研究を元にしたメタアナリシスという方法で検証した結果、ヨガが抑うつ症状の軽減に役立つ可能性があり、さらにエクササイズを中心としたヨガよりも、呼吸やディープリラクゼーション、瞑想で構成されたヨガの方が効果的な可能性を報告しています4)。

 

Cramer, Holgerらは、うつ病または高度の抑うつ状態の人を対象にした9つの研究を基にしたメタアナリシスにおいて、うつの軽減については、通常のケアや有酸素運動に比べて効果的であり、瞑想ベースのものが効果的である可能性を報告しています5)。

 

このような形でヨガの効果については報告されています。

 

めちゃくちゃ効果があるという報告は今のところありませんが、まぁまぁ効果あるんじゃない?みたいな感じですし、呼吸や瞑想ベースなど運動要素以外の部分が大事なんじゃないかといった指摘は興味深いところです。

 

自分としての実感

 

自分自身、うつ病を経験したことはありませんが、気分がすぐれない時や沈み気味な時のヨガを実施した時の実感をご紹介いたします。

自分の実感としては決して明るくなったり、気分が晴々しくなるという効果を感じるわけではありませんが、何となく落ち着く感じはあります。

 

特に、不安感やイライラなど頭がモヤモヤとしたような時、ヨガをしている最中は自分の体・呼吸に意識が向くためそういった感情から注意がそれて平穏な時間となる感覚があります。

あとは単純にアーサナがしんどくてその場に集中せざるを得ないから、不安やモヤモヤを考える余裕が減るのもあるのかな?

 

短時間でも不安感やモヤモヤから離れることで、心や頭が落ち着くのかもしれません。それを繰り返すことで平穏につながるのかもしれません。

 

自分の実感としては、うつ・抑うつ気分の時に試してみる価値は十分にあると感じています。

 

まとめ

今日は、ヨガがうつ病に与える影響についてご紹介させていただきました。

 

以上を踏まえた私の結論としては、効果はありそう!です。

 

今日の話の要点としては、

 

point!

 

・うつ病は脳のシステム異常が起きている

 

・うつ病は年々増えている

 

・うつ病と抑うつは異なる

 

・めちゃくちゃはっきりと効果を証明されているとも言えない

 

・瞑想や呼吸法などの要素があった方が良さそう

 

では、なぜヨガはうつ症状に対する効果があるのでしょうか?

 

今日はここでエネルギー切れましたので、またこの点については次回以降で(笑)

 

この不安定な社会情勢の中で、心理的な不安感や抑うつ気分が生じやすい状況です。

 

ヨガでも良いと思いますし、他の方法でも良いので上手くストレスの発散をする必要があります。

 

なんとかこの難局を乗り越えましょーー!!

 

出典

1)厚生労働省 精神疾患のデータ(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html)

2)Brinsley, Jacinta, et al. “Effects of yoga on depressive symptoms in people with mental disorders: a systematic review and meta-analysis.” British journal of sports medicine (2020).

3)Lundt, Anna, and Elisabeth Jentschke. “Long-term changes of symptoms of anxiety, depression, and fatigue in Cancer patients 6 months after the end of yoga therapy.” Integrative cancer therapies 18 (2019): 1534735418822096.

4)Gong, Hong, et al. “Yoga for prenatal depression: a systematic review and meta-analysis.” BMC psychiatry 15.1 (2015): 1-8

5)Cramer, Holger, et al. “Yoga for depression: A systematic review and meta‐analysis.” Depression and anxiety 30.11 (2013): 1068-1083.