深呼吸している人
ヨガ

【効果検証、体験談あり】ヨガと呼吸

本記事ではヨガにとって重要である呼吸についてまとめています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

さて今日のテーマは、

ヨガと呼吸の関係について

 

ヨガをする上で切っても切り離せない、めちゃくちゃ大切なものが呼吸です。

今日はこの点について整理していきたいと思います。

 

ヨガでの呼吸

 

ヨガクラスの多くは最初に呼吸を整えることから始めると思います。私も実際にそこから始めます。

 

皆様は普段何気なく生活していて、呼吸に意識を向けることってありますか?昔、私自身ヨガをするまであまり気にしていなかったように思います。

 

呼吸って当たり前すぎて結構気にしないのかもしれませんが、一度目を向けてみると面白いものです。

 

興奮している時や緊張している時、ストレスが多い時って呼吸は浅く早くなっている人が多いし、逆にリラックスできている時や楽しい時って呼吸は深くゆったりしていることが多いです。

 

ヨガでは後者の深くゆったりとした呼吸を大切にしています。

 

呼吸法にも色々ありますが、私はウジャイ呼吸をよく用います。

 

この呼吸については動画で説明していますので、こちらから確認をお願いいたします(youtube始めたばかりの時なので顔怖いです笑)。

なぜゆったりと深い呼吸?

 

ではなぜゆったりと深い呼吸なのでしょうか?

 

各クラスで目的は多少異なると思いますが、多くは心と体を整えて深いリラクゼーションを図る目的でされている場合が多いと思います。このリラクゼーションというところがポイントになります。

 

リラクゼーションには自律神経というものが関わります。自律神経は交感神経副交感神経というものに分かれており、それぞれの役割が対照的なものとなっております。

 

簡単に分けると、交感神経は興奮を、副交感神経はリラックスをつかさどっています。

 

そして、この神経を唯一意識的に調整できるのが呼吸となります。

 

早く浅い呼吸をすれば交感神経優位になり、気持ちが昂ぶってきますし、ゆったりと深い呼吸をすれば副交感神経優位となり気持ちは落ち着く方へ傾きます。

 

この作用をうまく利用して心と体を整えているのがヨガのいいところです。

呼吸機能の改善も

 

ヨガインストラクターさんの呼吸音て凄くないですか?あと呼吸したときの胸の膨らみ方とか。

 

そんなとこ見ないわって人、一度見てみてください。私みたいなもんは全然ですが、ヨガを本業に修練を積まれている方はホントすごいですよ!

 

そんな人を見てて、「実際肺活量などの呼吸機能ってどうなんかな?」と疑問を持ったので調べてみると、ありました。

 

Akhaniらは健康な医学生を対象にヨガと呼吸機能の関連を調べたところ、4週間のヨガでUPしたことを報告しています1)。

 

また、Yamamoto-Morimotoらは、中高年(40歳以上60歳未満)を対象に週1回8週間のヨガを実施したところ、呼吸機能の改善を認めたと報告しています2)。

 

さらにLiuらは、慢性呼吸不全患者を対象にした複数の論文からなるメタアナリシスという方法で調査したところ、息をはく力(FEV1,FEV1%)や6分間で歩ける距離が改善したことを報告しています3)。

 

これらのことからヨガが呼吸機能の改善にも効果がある可能性が考えられます。

 

呼吸に関わる筋肉と骨をおさらい

 

ではなぜヨガで呼吸が改善するのでしょうか?ここからは私見を述べます。

 

まず呼吸に関わる上で考えるべき部位。それが胸郭です(下図)。

胸郭の骨
胸郭(骨)

 

これは胸の周りにある肋骨を示しています。左右それぞれ12本ずつあり、下の方は横隔膜が蓋のようになっており、肺を守っています。

 

この肋骨の間には下の図のように筋肉が張り巡らされており、息を吸うと肋骨周りの筋肉が広がり、はくと元の位置に戻るということを繰り返し、私たちは呼吸をしています。

肋間筋
肋間筋の模式図
肋間筋+横隔膜
横隔膜の位置
呼吸の時の筋肉の動き
呼吸時の動き

 

この肋骨の間にある筋肉も、脚や腕についている筋肉と同様に、動かす機会が少なかったりすると硬くなったり、縮んだりします。そうなると肋骨の間が広がりにくくなるので、呼吸が浅くなる可能性につながります。

 

また、肋骨は左右へ体をひねることにも関わるため、硬くなるとひねる動きも小さくなります。

 

ヨガはこの筋肉へのストレッチ作用が大きいと思われます。

 

ヨガによるストレッチ効果

 

まず、何よりも呼吸を大きくするためそれだけでもストレッチ効果です。

先ほどのように呼吸に連動して骨が動き、筋肉が伸ばされます。

 

そして、下の写真のように体をひねるアーサナが結構多いためストレッチになります。

ローランジのツイスト
ローランジツイスト
アルダマッチェンドラアーサナ
アルダマッチェンドラアーサナ

 

このようなことが、呼吸機能の改善に関係していると考えます。

 

自分の体験談

 

さて、それでは自分体験についてご紹介いたします。

私が瞑想する時にはウジャイ呼吸をしています。

意識を呼吸に向けている時は、最初は「すうこと・はくこと」に対する意識が強く色々な考えが頭をめぐり、十分に落ち着くわけではないのですが、段々と呼吸のリズムが安定してくると、ぼーっととは言いませんが思考がゆったりするような感じになります。

さらに落ち着いてる時は、眠っているわけではないのですが、眠っているような不思議な感覚になり、瞑想が終わった時に心身ともにoffになった感じになりました。

 

また、ヨガをした後の感覚として、息が吸いやすい(胸が膨らみやすい)感覚があります。これは生徒さんからもクラス終了後に感想をいただいたこともあります。

 

ランニングにも呼吸は非常に大切なので、相乗効果が期待できるかも!と感じています。

 

まとめ

今日はヨガと呼吸の関係性について整理しました。

ポイントとしては

・ヨガではゆったりと大きい呼吸

・ゆったりとした呼吸は副交感神経を刺激してリラックスしやすい

・呼吸機能が改善する可能性がある

・呼吸自体とアーサナが胸郭周りの筋肉のストレッチに関わる

 

といったところです。

ヨガのアーサナを取るのはしんどいから簡単にリラックスをしたいって方、まずは呼吸を整えることからでもスタートしてみてはいかがでしょうか?(^^)

 

出典
1)Akhani, Pratik, Siddharth Banode, and Nirupama Shah. “Effect of 4 weeks’ yoga practice on respiratory function tests in young adults.” National Journal of Physiology, Pharmacy and Pharmacology 9.6 (2019): 493-497.

2)Yamamoto-Morimoto, Kuniko, et al. “Positive effects of yoga on physical and respiratory functions in healthy inactive middle-aged people.” International journal of yoga 12.1 (2019): 62.

3)Liu, Xun-Chao, et al. “Effects of yoga training in patients with chronic obstructive pulmonary disease: a systematic review and meta-analysis.” Journal of thoracic disease 6.6 (2014): 795.