【効果検証、経験談含む】ヨガと睡眠の関係
この記事では、ヨガと睡眠の関係について論文情報と実体験を交えて言及しています。
こんにちは、ヒロです。
少しずつ暖かい日が増えてきて、春が近づいてきた感じがしますね。
三寒四温とはよく言うたもので、結構好きな言葉です。あー春が待ち遠しい☺️
さて、今日はヨガと睡眠の関係について解説しようと思います。
睡眠は生きていく上でとても大事なことです。
脳の中を整理したり、体を休めたり、何かと体にとっては大事な時間です。
この睡眠とヨガ、良い関係にあると考えます。
ではその辺りについて、私見も挟みつつご説明していきます。
目次
睡眠の間は何が起こっている?
まず睡眠中に体に起こっていることについて簡単に整理しておきましょう。
睡眠とは
睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の2つから成る。ノンレム睡眠は浅い睡眠から深い睡眠まで4段階に分かれる。睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2つからなります。ノンレム睡眠は浅い睡眠から深い睡眠まで4段階に別れ、そのうちの深い睡眠を徐波睡眠と呼びます。レム睡眠は周期的に現れて睡眠全体の25%を占めます。レム睡眠は90分毎に現れて、5分から30分続きますが、レム睡眠時に夢を見ていることが多いといわれます。動物実験ではレム睡眠を剥奪すると死に到ることが知られています。
出典:厚生労働省e-ヘルスネットよりhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-034.html
ということで、睡眠の専門家ではありませんので、詳細は専門書等を読んでいただきたいのですが、ここに付け加える情報として、レム睡眠時は体が休まり脳が起きていて記憶や脳内の情報を整理する時間、ノンレム睡眠は成長ホルモンなど体にとって大事なホルモンが出る時間であることがポイントです。
このような大事な時間である上に、動物実験で死に至るってことはそれだけ睡眠って体にとって重要なんです。
出来る限り睡眠時間は確保したいですね!!
ちなみに、こちらのサイト(https://sleepedia.jp/rem-nonrem/)が非常にわかりやすく整理されていましたので、睡眠に興味のある方はご一読ください。
適切な睡眠時間について
では睡眠時間はどのくらい確保したら良いのか。
休みの日に寝溜めしたり、平日はやりたいことがあって、ついつい睡眠時間を減らしたりなんて経験は一度はありますよね。例えば、ちょっと忙しくなって、もしくは飲み歩いたりゲームをしたりして睡眠時間が削られたり、徹夜で作業したり。
そんな次の日って、頭がボーッとして凡ミスが増えたり、何となく変なテンションになったりとロクなことがないなーと、自分の体験からは感じます。
CHAPUT.らは、適切な睡眠時間について1日7-8時間が成人および高齢者の健康と最も好ましい関連性を持ち、これ以上多くても少なくても悪影響(死亡率、心血管系の問題、糖尿病、認知機能の低下、肥満など)が出る可能性を示唆しています1)。
日本では、厚生労働省から出ている健康づくりのための睡眠指針2014にも示されているように6時間から8時間の睡眠が必要とされており、良質な睡眠がこころと体の健康に大事であることが示されています2)。
この辺りから、睡眠時間については7〜8時間が望ましいと考えます。
少なくても長くてもあまり良くないようですね。
ヨガと睡眠
それでは本題のヨガと睡眠の関係性について解説いたします。
WANGらは、19件の報告からなるメタアナリシスの結果から、女性の睡眠障害に対するヨガの効果について、運動をしていない女性に比べ、睡眠の質に効果がある可能性を報告しています3)。
HALPERNらは、不眠症の高齢者を対象に週2回、12週間のヨガ介入を実施した結果、きちんとクラスに参加していたヨガ実施者において睡眠の質が改善したことを報告しています4)。
こういったことから、ヨガと睡眠の質には良い関係があると考えられます。
ちなみに、「考えられます」という表現にしているのには訳がありまして、睡眠が良くなったという上記の報告もあれば、変わらなかったという報告も散見されます。
つまり絶対的な見解ではないと考えますので、各個人の置かれた状況やクラスの内容によっても左右されるとは思います。
なんでヨガで睡眠が良くなる?
ここからは完全に私見となりますので、あくまでも参考までに。
キーポイントとしては自律神経が関わることだと考えます。
自律神経とは、交感神経と副交感神経という二つがあり、それぞれ作用が異なります。
ざくっと説明すると、交感神経は興奮を司るもの、副交感神経はリラックスを司るものです。
交感神経は朝から夕方にかけて、副交感神経は夜から朝方にかけてはたらく周期となっていますが、ストレスなどによりこの周期的なリズムが乱れることがあります。これにより、夜も交感神経(興奮)優位となり、睡眠の質が悪化することが予想されます。
この自律神経、意識的に調整する簡単な方法が呼吸となります。
浅く早い呼吸をすると交感神経(興奮)に、深くゆったりとした呼吸をすると副交感神経(リラックス)が刺激されます。
感の良い方はもう気づきましたかね?
ヨガはゆったりとした呼吸を続けるものであり、このバランスを整えてくれると考えられます。
実際、妻にfitbitを装着して脈拍を測定してヨガクラス中の変動を確認してみましたが、クラスの終わりに向けてうまいこと脈拍が落ち着いていく(副交感神経優位)ことが確認できました。
呼吸以外にも、ヨガが有酸素運動くらいの運動量ですので、適度な疲労感により眠りに影響することなども考えられますが、家でも取り組みやすいのは呼吸だと思います。
眠れないなと思ったら、布団の中でリラックスの姿勢をとり、ゆったりと大きい呼吸を続けるだけでも良いと思います。
ちなみに仰向けで転がり呼吸を続けることに、シャバ・アーサナ(屍のポーズ)という名前もついております。
私はこのアーサナ大好きです(笑)
自分の体験談
ここからは、自分の体験談について少し紹介させていただきます。
まず自分自身のことについてですが、一時期、練習のため寝る少し前にアーサナの練習をして、瞑想まで練習している時期がありました。
この時の眠りの深さに驚きました。
夜中や早朝に途中で目がさめてしまうこともあるのですが、この時期については朝までぐっすり。そして、朝の目覚めが非常に良かったです。
あと髪の毛の寝ぐせが少なかったことから、穏やかに寝ていたのだと思われます。
自分だけでなく、自分の周りにおいてもそんな体験があったようです。
夜のヨガクラスに参加した生徒さんから、「ヨガした日の睡眠がすごく良かった」という感想をいただいたこともあります。
こんな体験からもヨガによる睡眠の効果があるのではないかと感じるところです。
まとめ
今日はヨガと睡眠の関係について解説いたしました。
ヨガと睡眠の質には良い関係性があると考えられます。
ポイントとしては
point・適切な睡眠時間は7〜8時間
・ヨガが睡眠の質を改善させる報告がいくつかある
・呼吸が影響して自律神経を整えているかも
最近はyoutubeやオンラインヨガなど、気軽に自宅で挑戦しやすい時代ですので、何となく睡眠不足だなと感じたら、ぜひお試しを(^^)
文献
1)CHAPUT, Jean-Philippe, et al. Sleep duration and health in adults: an overview of systematic reviews. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2020, 45.10: S218-S231.
2)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
3)WANG, Wei-Li, et al. The effect of yoga on sleep quality and insomnia in women with sleep problems: a systematic review and meta-analysis. BMC psychiatry, 2020, 20: 1-19.
4)HALPERN, Jonathan, et al. Yoga for improving sleep quality and quality of life for older adults. Altern Ther Health Med, 2014, 20.3: 37-46.