怪我をした人,ケガ
ヨガ

【実体験含む】ヨガってケガしないの?

本記事は、ヨガをして起こるケガの可能性について言及しています。

 

こんにちは、ヒロです。

 

暖かくなると、活発に動きたくなりますね。なんだかウキウキして体を動かしたくなってきます。

 

さて、そんな動きたくなる季節だからこそのテーマ。ケガについて。

 

今日はヨガってケガしないのか?

 

というテーマで書いていこうと思います。

 

ヨガによるケガの発症について

 

CRAMER, Holgerらは平均年齢47歳のドイツ人1702名を対象としたアンケート調査により、1000時間あたりに何回ケガをするかということをヨガの種類ごとに調査されています。結果、パワーヨガが1.50回、シバナンダヨガ0.63回、ヴィンヤサヨガ0.61回、アイアンガーヨガ0.52回、クンダリーニヨガ0.59回と報告しています。文献内の考察では、他の競技と比較されており(ランニングで2.5回、サッカー3.7回,テニスで5回、スキー8回)、比較的安全であると述べられています1)。

 

この回数が多いか少ないかということは、読者の方の印象があると思いますので断言はしませんが、私個人の感想としては比較的安全なものと考えます。

ヨガのケガが増えている?

 

少し昔のデータにはなりますが、SWAIN, Thomas Aらは、アメリカ人を対象に2001年から2014年の救急外来を受診した者のデータベースを元に調査されており、負傷率は、2001年の10万人当たり9.55人から2014年には10万人当たり17.01人に増加しており、年齢別に分析された結果では、18~44歳で2001年の9.71人から2014年の11.90人へ、65歳以上では2001年の6.91人から2014年の57.91人と増加傾向にあることを報告しています2)。

 

このデータには色々な影響が考えられるため、一概には言えないとは思いますが、特に65歳以上の変化が大きいようです。加齢に伴い、筋肉や骨の脆弱さは若年よりは増えてしまいますので、それらが影響しているのかもしれませんね。

 

あと主観的な感覚としては、SNSなどを見ていると難しいアーサナに挑戦される方が増えてきている印象があり、それらの中には、理学療法士の視点からみてると、ちょっと関節への負荷が心配だなーなんて思うのもちょこちょこあります。余計なお世話でしょうが、その人が今はケガしなくても将来どうなるか心配な部分はありますね。

どこのケガが多い?

 

体の部位としてはどこのケガが多いのでしょうか?

 

先ほどのCRAMER, Holgerらの報告では、急性的なものは体幹→下肢→上肢→頭頸部の順に多く、慢性的なものは、体幹と下肢→上肢→頭頸部の順となっています1)。

 

そして先ほどのSWAIN, Thomas Aらの報告では、2014年の段階で体幹が最も多く、次いで下肢と頭頸部がほぼ同等となっています。

 

二つの報告から共通することとして、体幹のケガが中心のようです。

 

体幹のケガで考えられる例としては、腰痛や背中の痛みとかですね。

どんなケガが多い?

 

ケガの種類ですが、またまた先ほどの方達の報告からですが、SWAIN, Thomas Aらの報告では、最も多いものが捻挫や筋挫傷のようなもので45.03%でした2)。LEE, Melodyは、ヨガに関連したケガでクリニックを受診した人の過去の記録から調査し、74.2%の患者に使い過ぎによる筋膜痛、6.7%に肩の腱板損傷、51.7%に変形性関節症、背骨の圧迫骨折が14.6%に認められたと報告しています3)。

 

骨折するケースもあるんですね( ̄▽ ̄;)

 

人によってはそれだけの負荷がかかるということです。

 

筋肉や骨は一度痛めると色々と長引きますから、自分の痛みや違和感には敏感になっておいた方が良いと考えます。

なんでヨガでケガするのか?

 

ではなぜヨガでケガをするのでしょうか?

 

まずは受傷する場面から整理します。

 

CRAMER, Holgerらは、倒立・肩立ち・ヘッドスタンド、前後屈で急性のケガが多いと報告しており1)、LEE, Melodyらはケガに関わったアーサナとしてセーツバンダサルバンガアーサナ、パスチモッターナアーサナ(前屈)、戦士のポーズ1、ハラアーサナの順に多かったと報告しています3)。下の写真のようなものが一部のイメージですね。

ハラアーサナ
ハラアーサナ
ウシュトラアーサナ
ウシュトラ・アーサナ
ウッターナアーサナ
ウッターナアーサナ
ヘッドスタンド
ヘッドスタンド

 

ここからは私見を述べます。

 

アーサナは安全にすればフィットネスにとても有用ではありますが、やり方に注意しなければ危険を伴うものも多いと感じています。そして、インストラクターは筋肉や関節の構造をある程度理解したものの指導でなければ、良かれと思ってする指導によりケガのリスクを上げてしまうことも理解しておく必要があるでしょう。

 

あと何よりも大切なのが、アーサナをキレイにすることを主目的にするのではなく、その人が安全にできる形にティーチングすることが重要と考えます(これら全て自戒を込めて)。

 

これはヨガに限ったことではなく、こんな健康に関する情報が溢れている今の時代は色々なことに当てはまると思います。そういった意味では自分の体に対して敏感になり、自分の感覚を大切にすることが一番のケガ予防の手段かもしれませんね。

 

ヨガについていえば、安全にヨガライフをする上で、初心者の方はyoutubeなど一方向のものではなく、一度はインストラクターの指導を受けておいた方が良いと思います(^^)

 

実体験のお話

 

それでは、今までのケガにまつわる実体験をご紹介いたします。

 

と言いましても、私はヨガによってケガをしたことはありません

 

ただ、危ないなーと感じたことは何度かあります。

 

それは、インストラクターの方に手で体を押される時や、無理に動きを矯正された時です。

 

具体的に一番ヒヤッとしたのは、前屈系のアーサナの時に後ろから押された時。

 

アーサナ中にそれ以上体が動かない時は、体の構造上の問題でその時点ではそれ以上動かないということです。

そんな時に無理にポーズを深めようとすると、体に過剰な負担がかかるためケガのリスクが上昇します。

その他はそんなに危ないなと感じたことはありませんでした。

 

つまり、インストラクターの教え方(手でサポートするなどを含む)次第かなと思います。

あとは、私自身が理学療法士のため、体の構造についてはある程度知識がある分、どう動かしたら良いかイメージがあるのも大きい点と思います。体に詳しくない方は、動きのコツなどについてインストラクターの方に聞いてみると、ケガの予防につながるかなと思います。

 

まとめ

今日はヨガってケガするの?というテーマでかいてみました。

ポイントとしては

POINT!

・ケガの発症率は他のスポーツに比べて低い。

 

・ヨガ関連のケガは少しずつ増えている可能性がある。

 

・体幹のケガが多い。

 

・筋肉を痛めるケースが多いが、ひどい場合骨折もある。

 

・アーサナをする時は自分の体に対してかなり集中して注意を払う必要あり。

 

・自分の体の違和感には敏感になっておく

 

といったところです。

ちょっと怖いことも書きましたが、ヨガは他のスポーツに比べてケガの発症率は低そうなエクササイズですので、ぜひ挑戦してみてくださいね(^^)

 

出典

1)CRAMER, Holger, et al. Adverse effects of yoga: a national cross-sectional survey. BMC complementary and alternative medicine, 2019, 19.1: 1-10.

2)SWAIN, Thomas A.; MCGWIN, Gerald. Yoga-related injuries in the United States from 2001 to 2014. Orthopaedic journal of sports medicine, 2016, 4.11: 2325967116671703.

3)LEE, Melody; HUNTOON, Elizabeth A.; SINAKI, Mehrsheed. Soft tissue and bony injuries attributed to the practice of yoga: a biomechanical analysis and implications for management. In: Mayo Clinic Proceedings. Elsevier, 2019. p. 424-431.