腰痛持ちの人
ヨガ

【効果検証】ヨガは腰痛に良い?

本記事では、ヨガが腰痛の改善に関して効果があるかについて言及しています。

 

こんにちはヒロです。

 

本当は今日は鯖街道を走っている予定でしたが、緊急事態宣言等により中止となってしまいステイホームです。

 

いつになったら以前のような楽しく大会に出る日常が戻ってくるやら…

 

さて、今日はヨガと腰痛について。

 

腰痛は多くの方が一度は経験したことがある、もしくは今も苦しんでいる悩みのタネではないでしょうか?

 

実際厚生労働省国民生活調査においても多くの方が腰痛を抱えていると報告されています。

 

今日はそんな腰痛にヨガが役に立つかもしれないというお話をご紹介いたします。

 

ちなみに今日のお話をまとめる上で、理学療法士協会から出されている『理学療法ハンドブック シリーズ3腰痛』が非常にわかりやすいため、そちらを参考にしています。

理学療法ハンドブック腰痛
理学療法ハンドブック腰痛

 

腰痛の原因?

 

腰痛の原因ですが、1992年のDeyo RAらの報告では85%が原因がはっきりしないと報告されています1)。具体的には、レントゲンなどの画像に問題がないのに痛かったり、再現性がなくはっきりしなかったりといったものをイメージしてもらえるとよいと思います。実際、整形外科などに受診して、特に問題はないと言われた体験をした人もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そして、腰痛は一つの原因というより、色々な要因が複雑に関わっていると考えます。

 

筋肉の影響だけを考えてみても、姿勢の影響による筋肉への負担や、座り仕事や立ち仕事による疲労の蓄積、重い物を持ち上げたときのダメージなど考えることはたくさんあります。

 

これに心理的な要因や内臓の影響など世の中で言われていることを含めると、とんでもなく考えることが多いわけです。

 

ただし、骨折や分離症などのはっきりした原因がある腰痛もあるため、まずは整形外科に受診して確認することは必須です!

 

よく、「整形外科に行っても何もないです」と言われるから行きませんと言われるのですが、これは何もないから運動などの手段を考えられるのであり、危ない構造上の変化は何もないという保証は絶対に必要と考えます。

ヨガが腰痛に役立つ?

 

では、早速今日の本題である、ヨガによる腰痛への影響について幾つかの報告をご紹介いたします。

 

Demirel, A. Y. N. U. R.らは、3ヶ月以上継続する原因のはっきりしない腰痛を持つ20歳以上65歳未満の人を対象に、週3回60分のヨガを6週間実施して効果を検証したところ、痛みの軽減や動きのや生活の質の改善など良い影響があったことを報告しています2)。

 

Nduwimanaらは、複数の文献からなるメタアナリシスという調査を実施して、ヨガは慢性腰痛に対して、0~3ヶ月くらいの短期間では痛みに対して効果的であり、3-6ヶ月くらいの中期的な期間では活動制限に対して効果的であることを報告しています3)。

 

さらにZhuらは同様にメタアナリシスにて調査を実施し、ヨガは運動をしない場合に比べて痛みや活動制限に対して効果的である可能性を報告しています4)。

 

こう言った点から、ヨガは原因のはっきりしない慢性腰痛に対して痛みを軽減させたり、動きを良くするなどの効果が期待できると考えます。

 

なぜヨガで腰痛が軽減できる?

 

ではなぜヨガで痛みの軽減や動きの改善が生じるのでしょうか?

 

まず1点目。これは理学療法ハンドブックからですが、安静や心配のしすぎは、身体機能の低下や脳機能の変化を生じさせ、かえって痛みを増悪させる可能性があり、負の循環が生まれることで慢性的な腰痛へと繋がってしまいます。この点で、何かしらの運動を行うことでこの悪循環を断ち切ろうというわけです。そういう意味で言えば、私個人の意見としては、ヨガでなくても、別に運動であれば良いとも考えます。

 

2点目。これは自分の主観的なものとなってしまいますが、体に対する気づきが生まれることがポイントと考えます。ヨガは基本的には自分の心・呼吸・動きに注意を向けるものであり、体がかたい・柔らかい、ポーズが取れる・取れないは二の次と考えます。この注意を向けるということにより、自分の体に対して動く部分や動かない部分を発見し、そこに対する意識や気づきが生まれることで、日々の生活上の意識や行動が変わり、結果として筋肉への負担軽減等につながると考えます。

 

3点目。これは単純にストレッチ的な効果を考えます。ヨガは色々なアーサナを通して普段しないような体の使い方をします。その中で、腰痛に影響を与えるような筋肉へのストレッチにより、腰痛軽減の効果もあると考えます。

 

他にもヨガの良い点としては、

・ゆったりとした運動

 

・筋力トレーニング効果

 

・負荷を調整できる

 

・ゆったりとした呼吸を行うことで不安感の軽減(自律神経系への働きかけ)

 

などが影響しているのではないかと考えます。

ヨガで悪くすることはないの?

ここまではいいことばかりを挙げましたが、逆に悪いことはないのか。

以前のブログにも挙げましたが、ヨガでケガをするケースもあり、その中には腰痛も入っています。

無理なアーサナの強要や頑張りすぎにより、患部へ過度な負荷がかかるとケガにつながるというリスクを忘れてはいけません。だからヨガでアーサナができるかどうかということは、楽しく安全に行う上では二の次なわけです。

 

自分の経験談

 

さて、自分の体験についてを少しご紹介いたします。

 

私自身で言えば、ひどい腰痛を起こしたことはありませんが、腰がだるいなと感じる前駆症状がある時はあります。

そんな時にヨガをすると、スッキリする感じはあります。

ただし、あるポイントに注意して動かしています。

 

それは、腰以外のところから意識して、最後に腰を伸ばす

 

腰の負担というのは、腰だけが悪さをしているのではなく、その上下関節(例えば、胸まわりや股関節)が影響していることもあります。まずはそういったところから動かすことで、体を整えてから、腰をほぐすような動きを入れていった方が楽になりやすい印象です。

 

腰を曲げたり伸ばしたりするアーサナ中も動かす部位の意識はこのようにしています。

一度参考にしてみてください(^^)

 

まとめ

 

今日はヨガで腰痛は治る?というテーマでした。

 

結論としては、

 

ヨガによる腰痛軽減効果は期待できる!

 

と考えます。

 

パソコン仕事や自粛により体を動かす機会が少なくなって、腰痛を起こしている人もいるのではないでしょうか?

そんな時にぜひヨガをエクササイズの候補に入れてみてくださいね(^^)

 

出典

1)Deyo RA, Rainville J, Kent DL (1992) What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA. 12;268(6):760·5

2)Demirel, A. Y. N. U. R., et al. “Stabilization exercise versus yoga exercise in non-specific low back pain: Pain, disability, quality of life, performance: a randomized controlled trial.” Complement. Ther. Clin. Pract 35 (2019): 102-108.

3)Nduwimana, Ildephonse, et al. “Effectiveness of walking versus mind-body therapies in chronic low back pain: A systematic review and meta-analysis of recent randomized controlled trials.” Medicine 99.35 (2020).

4)Zhu, Feilong, et al. “Yoga compared to non-exercise or physical therapy exercise on pain, disability, and quality of life for patients with chronic low back pain: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.” PloS one 15.9 (2020): e0238544.