
【効果検証】ヨガが不妊の救世主?
本記事では、ヨガが男性不妊に好影響を与える可能性について言及しています。
こんにちは、ヒロです。今日は、
ヨガと男性不妊、その中でも精子の質がヨガで改善できるかも
というテーマで情報をご紹介いたします。
不妊治療が保険適応となるなど、昨今大きな問題のひとつとなっています。
実際私も精子の検査をしたことがあります。
幸い私自身一応正常範囲内ではありましたが、悩まれている男性も多いようです。
このナイーブな問題とヨガがどう関連しているのかについて情報をご紹介いたします。
※不妊のことについては、私は決して専門ではありませんので以下の論文情報を元にご紹介いたします。
目次
男性不妊について
現代において、不妊の問題は女性側のみでなく男性にも問題があるケースがあることが一般的になってきました。
例えば、精子の量そのものが少なかったり、運動率が悪い、奇形が多い、または全く精子が出ていないなど多岐に渡ります。
2019年SMITS, Roos Mらのレビュー内において、1980年代に不妊について行われた調査では、男性のみに原因があるケースが20%、女性に原因があるケースが38%、両方に原因があるケースが27%、どちらに原因があるかはっきりしないケースが15%とされています1)。
さらに、以下のような報告もあります。
男性不妊に関する報告
現在では、通常のカップルのうち約15%は不妊症といわれています。WHOは、男性にのみ不妊原因があるカップルが24%、女性にのみ不妊原因があるカップルが41%、男女ともに原因があるカップルが24%、原因不明が11%と報告しています。すなわち、不妊カップルの約半数において、男性側に原因があるのです。
出典:日本Men’sHealth医学会
このように、男性不妊については、結構シビアな問題と考えて良いと思われます。
子供ができない=女性側の問題か?なんて短絡的に考えることもあるだろうし、「自分の精子に問題があるはずがない」と自分を守りたくなるような気持ちになるのもあり得るだろうとは思いますが、やはり自分の精子の状態について一度は確認しておく必要があると思います。
年月を重ねて治療が必要だったっていうのが夫婦にとって悲しいことになりかねません。
なぜ男性不妊が生じる?
色々な問題がある中で、ヨガに関わりそうである、活性酸素について焦点を絞ります。
活性酸素とは、極々簡単に説明すると、私たち人間が生きていく上で必要不可欠な酸素を体内で使用した時に、その副産物として生じるものです。これは、ウイルスなどの有害なものを倒して免疫を高めることや、アポトーシスと呼ばれる細胞をより良い状態に保つために必要であるといった重要な役割がある一方で、多すぎると問題のない細胞までダメージを与えると言われているものです。
精子で言えば、適度な活性酸素があるから精子の細胞に好影響がある一方、活性酸素が増えすぎて酸化ストレスを生じさせると精子の構造や機能、DNAに悪影響を与えるということになります。
つまり増え過ぎが困るわけです。
活性酸素を増やしてしまう要因としては、
・高温
・飲酒
・喫煙
・栄養不足
・肥満
・感染症
・慢性疾患
・自己免疫疾患
・電磁波
・座りっぱなしの生活
・心理的ストレス
SMITS, Roos M., et al.1),BISHT, Shilpa, et al.2)
と言ったものが挙げられます1)。こうしてみると、健康的な生活を心がけることがいかに大切かよくわかります。
ヨガが男性不妊の改善に影響する?
さて、ここからが本題です。ヨガが男性不妊に効果があるのでしょうか?
DHAWAN, Vidhuらは、特発性不育症のカップルの男性側42名を対象に1回約2時間のヨガを21日間実施した結果、精子数や運動率,DNAの質の改善に加え、活性酸素が減少したことを報告しています3)。
MANNA, Indranil.は18~24歳の健康的なインド人男性を対象に1日60分、週6日のヨガを12週間実施した結果、何もしない場合に比べて、ヨガをしたグループは体脂肪の減少、酸化ストレスの改善があったことを報告しています4)。
私が調べた中での大きな調査としては、DARBANDI, Saraらが実施した87の論文からのレビューによると、精子数、精子運動性、生殖器の炎症状態、免疫系の障害、精索静脈瘤、膣内射精時間を改善し、DNAの酸化ストレス軽減させるなどの可能性があるとまとめられています5)。
このようにヨガで精子の状態が改善するという可能性が示唆されています。
なぜヨガで改善するのか?
それでは、なぜヨガで精子の質が改善するのでしょうか?
そのメカニズムについて、私は専門ではないのでわかりません。
ただ、先ほど挙げた活性酸素を増やしてしまうような、心理的ストレス、肥満に対するヨガの効果が間接的に影響していると考えます。
実際、ヨガでの不安感の軽減や抑うつ状態の改善については可能性が指摘されています(過去のブログ参照)。
また、ヨガをすることで運動習慣に対する意識の変化が生じることも影響するかもしれません。
他にも、自分の体験でしかありませんが、ヨガをしている人は割と食生活などに気を使われる方が多い印象で、そういった人に影響を受けることによって食生活の改善があるかもしれません。実際、ヨガクラスに参加した後に「飲みに行くぞー!!」ってならないですもんww。
ですので、ヨガ独自の効果というよりは、前述したような心理ストレスの軽減や運動習慣の改善、食事などの生活習慣の改善が活性酸素を減らすという間接的な効果ではないかとも考えます。実際、ヨガ以外にも筋トレやジョギングによる精子の改善に関する報告もあります(今日は割愛)。
その中でヨガだからこそのいい点を挙げるとするならば、
・運動が比較的低負荷
・運動と休息が適度なバランスである
・呼吸をゆったりと行う
・瞑想の時間がある
上記のような点であると考えます。
まとめ
今日はヨガが男性不妊に好影響を与える可能性についてご紹介いたしました。
大きなポイントとしては
今日のPOINT
・多すぎる活性酸素は精子にとって害である
・ヨガは活性酸素の軽減や精子の質や量の改善に影響する可能性がある
といったところです。
結婚している・していない、若い・若くない関係なく、健康的な体をつくるためにヨガや運動に取り組むことが重要と考えますので、ぜひ皆様も試してみてくださいね(^^)
出典
1)SMITS, Roos M., et al. Antioxidants for male subfertility. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2019, 3.
2)BISHT, Shilpa, et al. Oxidative stress and male infertility. Nature Reviews Urology, 2017, 14.8: 470-48
3)DHAWAN, Vidhu, et al. Meditation & yoga: Impact on oxidative DNA damage & dysregulated sperm transcripts in male partners of couples with recurrent pregnancy loss. The Indian journal of medical research, 2018, 148.Suppl 1: S134.
4)MANNA, Indranil. Effects of yoga training on body composition and oxidant-antioxidant status among healthy male. International journal of yoga, 2018, 11.2: 105.
5)DARBANDI, Sara, et al. Yoga can improve assisted reproduction technology outcomes in couples with infertility. reproductive health, 2018, 1: 2.

