サブ4レベルの市民ランナーが真夏にインターバル走1ヶ月続けてみた結果
この記事では、サブ4レベルの市民ランナーが真夏の8月にインターバル走を1ヶ月続けてみた結果と、インターバル走による変化や効果についてご紹介しています。
こんにちは、ヒロです。
ついに猛暑の夏も終わりを迎え、涼しい日が増えてきました。
そして、秋のマラソンシーズンを迎えようとしています。
そんな中、皆様色々なトレーニングを積まれていると思います。
私自身も秋の本番に向けて絶賛練習中でございます。
そんな私ですが、夢はいつかサブ3がしたい!
でも、全然スピードが足らず夢のまた夢の状態です。
そんな中で、今ままでしんどいから避けてきた、気になる練習『インターバル走』
これに向き合う時が来ました。
実際、いろんなブログで効果があることを確認しますし、論文でも短時間高強度の運動に対する効果の報告は多くあります。
ただ、やはり気になるのは、自分みたいな普通に会社に勤務している、一般市民ランナーが近所の道でちょっとするだけで本当に効果があるのかということ。
そこで今回は、平凡な市民ランナーが真夏の1ヶ月にインターバル走をしたら、身体の変化はどうなるのかということを、実体験としてご紹介したいと思います。
ちなみに、私の基本情報ですが、ちなみに私自身は、2019年のフルマラソンで3時間40分、以降コロナ禍ではマラソン大会は出ていません。ハーフマラソンは一人で練習がてらに走って1時間35分くらいです。フルマラソン以外で言えば、六甲縦走キャノンボール(片道)や神辺パノラマトレイルフェスなど40kmくらいのトレラン、2019年に丹後ウルトラマラソン100kmは制限時間ギリギリで完走するくらいのレベルです。
目次
インターバル開始前の能力と練習内容について
今回は5km,10kmのタイムを一つの目安にしてみます。
インターバル練習を開始するまでのタイムですが、5kmの練習での直近のタイムは6月末に21:29で、10kmは7月のタイムである45:22を一つの目安としておきます。どちらも心拍数が170~180bpmで推移しているのでほぼベストの感じでしょう。
基本的にはインターバルを開始した8月頭までの2年間は、トレイルランニングや鯖街道ウルトラマラソンなど長時間行動のレースに出ていたため、ほぼ低強度の練習しかしていませんでした。距離はトレイル含みますが大体月間200km前後です。(年に半分は200kmを下回りますw)
この8月頭より本格的にインターバル走を開始しました。
1ヶ月の練習内容としては、週1回水曜日に500m×5〜7本が3回、1km×4本が1回、1回は変則的に2km-1km-1kmで、いずれも基本ゼーハーになる主観的にかなり辛い運動強度で、心拍数も180bpmとなるような運動負荷で走ります。
設定ペースは500mは一本あたり110秒(3:40/kmペース)でレストは60秒、1kmの時は3:55/km前後でレストは90秒設定で実施しました。
ペース設定の目安ですが、500mを一回全力で走ってみて、それから本数こなせそうなギリギリのタイムを自分で決めています。
ですので、毎回、終わったタイミングは倒れそうなくらいしんどいです(笑)
実施時間は18時頃ですが、気温は30度くらいの中で実施しています。
これに加え、毎週土曜日に5kmや10kmを全力で走ることを実施しました。
間の日は10km前後日曜日は20km前後のジョグで繋ぎ、上記練習含め週4〜5日くらい走っています。
さて結果やいかに…
1ヶ月後のタイム
早速結果をご紹介したいと思います。
5km:21:29(4:17/km)→20:37(4:07/km)
10km:45:22(4:32/km)→43:40(4:22/km)
どちらもしっかりタイムが改善しました!!
どちらも1kmあたり10秒程度タイムが縮まっています。
もちろんどちらも限界のペースなのでこれ以上の余力は無く、このスピードではハーフ・フルを走ることはできませんが、ベースの走力は向上させることができました!
そして、真夏の暑い時期での実施なので、これから気温が下がって来ればもう少し上積みも期待できそうです。
実際、下のダニエルズのVDOT計算機を使って温度で補正すると上積みの期待値を確認できます。
https://runsmartproject.com/calculator/
市民ランナーが週1回のインターバルと週1回のきつめのペース走でも効果はあるようです。
その他の変化
5km、10kmのタイム以外にも変化したことがあります。
心臓の拍出機能の変化
まず、前提を押さえておきますが、心臓は全身に必要な血液量を送るために、1回の拍出量を強くするか、回数を増やす(心拍数)ことで対応します。
つまり、拍出量が多ければ、心拍数は減らすことができるし、拍出量が少なければ、心拍数を増やして対応することになります。
今回、私は安静時心拍が5くらい下がりました。また、ウォーキング時の心拍も10ほど減った感じです。
実際、ガーミンの心拍数の記録で確認すると、インターバル前は安静時心拍が50を切ることはありませんでしたが、インターバル期間中は40台を計測することが増えていますし(40台が2日)、週あたりの平均安静時心拍数は55→52bpmに減少しています。
今まで安静時心拍平均がGarmin計測時に40台になることはありませんでした。
これは、1回あたりの心臓の拍動で、体が必要とする血液を送り出すポンプの力が改善した結果、回数(心拍数または脈拍数)を減らすことができたのかなと推測しています。
実際、低強度心拍で(自分で言うと150bpmまで)のペースも20秒くらいは速くなりました。
インターバルは心臓のポンプ機能の改善に役立ちそうです。
※ランナーを対象とした心臓の機能に関するエビデンスは見つけられませんでしたが、心臓疾患を持つ人に対して実施した短時間高強度トレーニングは心臓のポンプ機能(左室駆出率)の改善は認められているようです1〜2)。
自覚的運動強度の軽減
自分が主観的に感じる辛さ・疲労感のことです。
心肺機能の改善によるものが大きい要因とは思いますが、それだけではなく、「インターバルより遅いペースで走れる」という心理的な負担感の軽減も大きく変化したと思います。
実体験に基づく例えですが、今まで5:00〜6:00/kmで走ってた人が、4:00/kmで走れと言われれば辛いけど、3:40/kmで走ってた人が4:00/kmで良いと言われるとだいぶ楽な気持ちです。
マラソンは、体力はもちろん重要な要素ではありますが、根性も絶対必要ですし、そのメンタル面もインターバルで鍛えられた気がします。
疲労感
良いことばかりの変化ではありません。
肉体の疲労感も強くなりました。
短時間・短距離とはいえ、負荷がかなり高く、今まで使っていなかった筋肉まで刺激されている感覚になりますので、1週間を通して振り返った時に筋肉疲労は強くなった気がします。
ケガなく練習を継続できることが大前提ですので、この辺りはケアや栄養などかなり慎重になっておく必要があると感じています。
睡眠の質
これは、真夏にインターバルをやった日に限る話ですが、いつも私は夕方にインターバルをします。夕方とはいえ気温は高く、練習後には大量の汗をかきますし、体温が上がっている感覚はあります。
これの影響なのか、インターバルの日は夜の寝つきが少し悪い感覚があります。
体温が下がらなければ良質な睡眠になりにくいですので、これは少し悪影響なのかなと感じています。
練習時間が少ない市民ランナーにインターバルはオススメ
色々と変化についてご紹介致しましたが、結論としては、ぜひ取り入れるべきトレーニングと感じています!
しんどくて辛い練習ではありますが、やはり短時間でサクッと終わり、しかも効果があるのが何よりの魅力。
効果についてですが、面白い報告が二つありましたのでご紹介させていただきます。
まず、一つは、40代の仕事をしている市民ランナー30名を対象に、仕事終わりに30分くらい月から金まで練習するグループと、週末土日に60〜120分の練習をまとめてするグループの2群を比べた結果、12週間後にはどちらのグループも有酸素運動の能力を改善し、その程度にほぼ差はなかったことを報告しています。ただ、酸素摂取量のピークは週末の練習グループが7.1%の向上に対して、平日短時間練習のグループは18.6%と大きく改善しています3)。
もう一つは、10秒以下のショートスプリントを可能な限り全力で走る練習について、(本数や休息時間は各文献により異なるが、少なくとも2週間以上している研究)複数の研究を集めて解析した結果、VO2MAXや有酸素・無酸素運動能力を向上する可能性について報告しています4)。
※↑10秒のスプリントを週に何本や、何回繰り返すかについては、各研究により異なるようですので断言はできませんが、1本だけとかではなく、インターバルトレーニングのように繰り返します。
どちらも時間を確保しにくい市民ランナーにとっては朗報ですね。
特に10秒のスプリントでもいいならば、インターバルで400mとか1kmとかする気になれない・時間がない時にも実施しやすいかもしれません。
週末にまとめて時間を取れないランナーでも、平日に30分くらいなら時間を確保しやすいかもしれません。
インターバル走をしていく上での注意点
効果があるとわかったインターバル走ですが、注意点もいくつかあると感じています。
まず、時間帯。
出勤前など起床してすぐにインターバル走や、同等の心拍数を上げるような負荷は避ける方が良いと考えます。
一説には朝は心筋梗塞のリスクが上がるとも言われていますので、私としては、仕事終わりをオススメします。
次に水分。
夏場のインターバル走はかなりの汗をかきますので、水分がかなり出ていきます。インターバル走をしない日も含めて意識的に水分をこまめに摂取して脱水状態にならないように注意が必要です。
そして、栄養についてですが、筋疲労・脚へのダメージがかなり強くなります。
練習直後に糖質・タンパク質・カルシウム・ビタミンを摂取することを心がけて疲労をためないようにして故障しないようにしましょう。
そんな私は、インターバルや負荷の高い練習後は、必ず牛乳やプロテインミルク、プロテインバーなど摂取するようにしています。
最後にケア。
筋肉のダメージが大きいため、ストレッチやマッサージ、マッサージガンなどでしっかりケアしましょう。
また湯船に浸かって筋肉を温めることや、交代浴で血流をよくすることもリカバリーが早くなるコツだと思います。
しっかりケアして故障しないようにしましょう。
まとめ
今日は一般市民ランナーである私が、真夏にインターバル走をしてみた結果と、インターバル走の効果や注意点についてご紹介いたしました。
結果的にはランニングパフォーマンスを上げることに成功しました!!
これから涼しくなってくるので、さらにやりやすくなりますし、今後も週1〜2回くらいのペースで継続していこうと思います。
インターバルの距離や本数は、自分にとってどれが合っているのか、まだいまいちわからないため、とりあえず、1kmと400〜500mをベースに、一本の距離を伸ばすというよりはペースを上げる・レスト時間を短くする、本数を増やすなどで調整し、週末に5〜15kmのタイムトライアルで状態を確認していこうと思います。
時間のないランナーの方、インターバルトレーニングを主軸に練習するのは結構オススメではありますが、負荷が高いのでケガには十分に注意しましょう。体の異変を感じたら無理なく中断しましょう。ケガせず練習を継続できることが、強く速くなるための近道です。(自戒を込めて)
そして、自分の能力がどうなっているか、定期的に20〜30kmの距離を走ってみて現状を確認することも必要です。
フルマラソンは42kmをいかに走り切るかですから、長い距離を走る練習も忘れずに!
(インターバル練習をしていると、変にオーバーペースになりやすいので要注意!!)
それでは、これから始まるフルマラソンシーズンを楽しんでまいりましょう(^^)
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出典
1)WISLØFF, Ulrik, et al. Superior cardiovascular effect of aerobic interval training versus moderate continuous training in heart failure patients: a randomized study. Circulation, 2007, 115.24: 3086-3094.
2)HSU, Chih-Chin, et al. High-intensity interval training is associated with improved long-term survival in heart failure patients. Journal of clinical medicine, 2019, 8.3: 409.
3)HOTTENROTT, Kuno; LUDYGA, Sebastian; SCHULZE, Stephan. Effects of high intensity training and continuous endurance training on aerobic capacity and body composition in recreationally active runners. Journal of sports science & medicine, 2012, 11.3: 483.
4)BOULLOSA, Daniel, et al. Effects of short sprint interval training on aerobic and anaerobic indices: A systematic review and meta‐analysis. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 2022, 32.5: 810-820.