【これからランニングを始める方へ】初心者こそケガに注意!
本記事は、初心者ランナーこそケガに注意しましょうというテーマとなっています。
こんにちは、ヒロです。
今日はランニングにおけるケガについて考えてみたいと思います。
コロナ禍となって健康のためにランニングを始める方、もしくは始めた方も多いのではないでしょうか?
実はこのランニング、初心者こそケガに注意する必要があるのかもしれません!
という内容を今日はご紹介いたします。
健康のために始めたランニングでケガをしてしまったら、元も子もないですよね。
そうならない様に、私が考える初心者の対策もご紹介したいと思います。
ちなみにですが、私のランニング歴は本格的に練習し始めたのが5年くらいで、それまではほぼ運動してない状態でした。過去100kmウルトラマラソンの完走やミドルレースのトレイルランを完走しており、フルマラソンは3時間40分(2年前なので多分今はサブ3.5くらい)の、中級くらいのランナーです。
そして、理学療法士という体の動きに関わる仕事をしております。
そんな私のプチ自慢としては、何週間も練習できない様なケガは今までしたことがないことです(^^)
目次
ランニングにおけるケガ
ランニングにおけるケガは、腰から下を中心に色々な部位で生じるため多岐に渡ります。
代表的なものとしては、膝、アキレス腱、踵(かかと)、足裏、腰(ヘルニア含む)などの部位の痛みです。
腸脛靭帯炎、鵞足炎(がそくえん)、アキレス腱炎、足底筋膜炎、肉離れなど、ランニングはその運動の特性上とにかく各筋肉や靭帯などの組織に炎症を起こしやすいのです。
ひどくなると、度重なる衝撃により疲労骨折をも生じてしまうこともあるので本当に注意が必要です。
最初は、「なんとなくちょっと違和感あるな〜」から段々悪化してくると「走り出しに少し痛い」、「走った後に痛む」と痛みが出始めて、ひどくなると「日常生活でも痛む」、「走れない」と段階的に変化してくるイメージです。
日常生活でも痛むとなると、通院治療やひどい場合には手術治療など余計に不健康になってしまう可能性すら含んでいると考えます。
こうなってからでは中々治らないため、そうならないように注意することが大切です。その辺は後ほど。
ランナーの怪我の割合
ではランナーの怪我の割合は実際どうなのでしょうか?
興味深い報告がありましたので、ご紹介させていただきます。
VIDEBÆK, Solvej,らの調査では、全くの初心者ランナーと、バリバリ走っているではないけど定期的に走る習慣があるようなレクリエーションランナーの1000時間あたりのケガの発症率を調べています。その結果、初心者ランナーの傷害リスクは、1000時間当たり17.8で、レクリエーショナル・ランナーが7.7と、初心者ランナーの方が高かったと報告しています1)。この論文は複数の論文を基にしたメタアナリシスなのですが、その基となる複数の論文でも初心者の方が発症率が高かったようです(中には33というのもありました)。
※ここでいうケガは痛みや練習できない、医療処置が必要など定義が論文によって様々だったようです。
この数字が多いか少ないかは個人の価値観によると思いますが、個人的な肌感覚も同じで、走り始めた人が急に練習してどこか痛めて我慢して練習してるということをちょくちょく聞くことがあります。
いずれにせよ、初心者こそケガに注意すべきと感じます。
健康のために始めたランニングでケガをしたら元も子もありませんから。
ランニングをこれから始めようという方は、こういったリスクも知っておく方が良いでしょう。
初心者ランナーの注意点
それでは、初心者ランナーでケガをせずにランニングをするには何に注意すればよいのでしょうか。
ポイントは距離とスピードとケアと考えます。
まず距離についてですが、走るのが楽しくなりすぎて、最初からすごい距離を練習しようとされる方がいます。
例えば平日毎日走って、週末にロング走数十キロなど。
ある程度脚づくりが進んでいるランナーであれば良いのですが、初心者はいきなり距離を増やすと、回復する前にまた疲労が溜まっていくためケガのリスクは上がってくると考えます。
NIELSEN, Rasmus Østergaard,らは、[週距離間比率=(第1週の総走行距離)/(第0週の総走行距離)×100]の計算式で、比率が30%を超えると、下半身のケガのリスクが増大したと報告しています2)。
この計算式を当てはめてみると、例えば、今週が1週間で20km、先週が18kmの場合、20/18×100=111%となり、10%の増加比率なので安全圏となります。
これが20km,その前の週が15kmの場合は、20/15×100=133%で30%の増加比率となり、これを超えるとケガのリスクが増大すると言うわけです。
こういうものを距離を増やす際の目安としても良いかもしれませんが、大事なのは、週単位で見たときに急激に距離を伸ばさないことです。
また距離を考える際には、自分の体の声に耳を澄まして、脚が重いとか何かハリが強い気がするなどの感覚を大切にしましょう。
次にスピード。
私自身もそうでしたが、段々早くなるのでついついスピードを出しちゃいますよね。
スピードが速くなればなるほど、着地の衝撃が強くなるため筋肉や腱にかかる負担が増えケガのリスクが増大します。
ですので、初心者の方はかなりゆっくりから始めることをオススメします。
なんなら歩きでも良いくらいです。
目標のタイムがある方もある思いますが、まずは、距離ではなく1時間余裕を持って走りきれるスピードで走るのが良いと考えます。その積み重ねで最初のうちは無理せずとも自然にスピードは上がってきますし、脂質代謝を促す練習にもなり、毛細血管の増大などランニングとって必要な体づくりが進むと考えます。
実際私自身最近のんびり走るように変えてから、持久力とスピード持久力はむしろ増大してきているような感覚です。
最後にケア。
筋肉の疲労をそのままほったらかしにすると、ダメージが蓄積して筋肉が硬くなり、結果としてフォームに影響して効率が落ちたり、ケガのリスクが上がったりすることが考えられます。
ですから、終わった後は必ずストレッチなどのケアをするようにしましょう。
ストレッチだけでなく、最近ではフォームローラーやマッサージガンなどかなり便利グッズが増えてきましたね。
youtubeで検索するとランナーのケア動画がたくさん上がってますので、自分にあったものを選択して実施してみてください。
まとめ
今日は初心者ランナーこそケガに注意しましょうという内容をご紹介いたしました。
ポイントとしては、
・初心者ランナーの方が経験者よりケガのリスクが高い
・距離を増やす時は前の週の30%を超えないこと。
・最初は速度はゆっくりと走り終わってもゆとりがあるくらいで。
・ケアを怠らないように!
このような点に注意していただきたいです。
ランニングは安全に行えば、心と体にたくさんの恩恵をもたらしてくれます。
ストレスフルな社会の中で、健康的に生きるためにうまく活用したいところです。
これからランニングを始めようとする方は上記の点に注意して、楽しいランニングライフを始めましょう(^^)
出典
1)VIDEBÆK, Solvej, et al. Incidence of running-related injuries per 1000 h of running in different types of runners: a systematic review and meta-analysis. Sports medicine, 2015, 45.7: 1017-1026.
2)NIELSEN, Rasmus Østergaard, et al. Excessive progression in weekly running distance and risk of running-related injuries: an association which varies according to type of injury. journal of orthopaedic & sports physical therapy, 2014, 44.10: 739-747.